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痩せガエル軍団の奇跡 (前編) [オトンは厄年、息子は当たり年]

いつもニャアコ一家に会いに来て下さる皆様、

ホントにありがとうございます。

今回から暫くの期間、前回の予告でお知らせしました通り、

我が愚息の小学校卒業記念・感謝企画といたしまして、

「オトンは厄年、息子は当たり年」三部作でお楽しみ下さいませ。

(何でこんな誰得企画やってんのかは前回の予告編を見てね[黒ハート]




第一部 「痩せガエル軍団の奇跡」


昨年の春休み前だったか、当時まだ小学校5年生だった息子が

夕食時に驚くべき言葉を発した。

「俺、今度の子供ずもう大会に出ることになったから」


子供ずもう大会(仮名です)・・・

毎年、ゴールデンウィークあたりに行われる、小・中学生による

相撲の大会である。

これは単なる地域の行事の一つなだけではなく、東京で行われる

「わんぱく子供ずもう大会」の予選も兼ねており、県内から男子・

女子と個人・団体あわせて約200名近い選手が集結するという、

県民も大注目の由緒正しき大会なのであった。


毎年行われてるにも関わらず、全く関心がなかったので、どういう

参加要項なのか全然知らずに、軽い気持ちで息子に聞いた。

「ふーん・・・で、6年生はお前の他に誰が出るんや?」

「6年生、俺だけ」

「はあ~?他にもっとガタイのええ子がおるやろ?なんでわざわざ

お前みたいなガリガリ君が出るんや?どんな人選やねん!」

「何か、みんな”廻し”で出るんが恥ずかしいみたい」


そう、子供ずもうとはいえ本格的な大会なので選手は「廻し着用」での

参加である(あ、女子はもちろん体操ズボンの上からですよ)。

選手の保護者や親類などを合わせると当日の観客は数百名に上る、

普段から人前で本格的に練習してる子たちは別として、やはり

まだ小6とはいえ、数百名の観客の前で生ケツを出すのはさすがに

恥ずかしいというのも理解できんではないが・・・


「まあ、確かにお前は人前で平気でケツ出せる奴やからなあ・・・

にしても、いくらなんでもお前じゃヒョロヒョロすぎるやろ。

どうせ最初の1回戦で負けて終わりとちゃうんか?」

「うん、でも団体戦もあるからなあ」

「・・・団体って何人くらい?」

「5人、で、俺が大将」

「フハッ」


この時はここで会話が終わったが、後で息子から聞いた話によると、

息子も最初は出場する気などなかったらしい。

団体戦の大将は4月から6年生になる、現5年生から出さないと

いけなかったみたいで、出場するチームの監督は息子のクラスの

担任の先生だった。

で、どれだけ先生が呼びかけても誰も出たがらなかったので、

結局、息子が「先生が気の毒だから」という理由だけで立候補した

らしい。

うーむ、これが得意分野の陸上の競争とかならば、文句なしで

「アッパレだ!」と褒めてやれるのだが・・・

私の脳裏には既に大観衆の面前で、敵の大将に呆気なく秒殺

される息子のイメージが、くっきりと描かれていた。

いや、待て、投げ飛ばされて恥をかくだけならまだしも、打ち所が

悪くて骨折とかなったら・・・相撲大会の数日後には修学旅行が

控えているのだ!いや、その前に骨折とかしたら治療費とか誰が

出すんだ?などと、どんどんロクでもないマイナスの発想ばかり

湧いてくるので、考えるのは止めにした。


そうこうしてる内に春休みも終わり、長女は中2、次女は小3、

そして息子は6年生へとそれぞれ進級し、いよいよ「子供ずもう」

本番の日を迎えた。

別に見に行かなくても結果はわかってるので、最初から応援は

妻に任せるつもりでいたのだが、長女の吹奏楽部の発表会が

同じ日に大きなホールで行われるらしく、そっちに行くとの事で

結局、私が日曜日で仕事も休みということもあって、相撲大会の

応援に行くことになった。


当日は、見事なまでの快晴だった。

この日は子供ずもうの大会だけでなく、同じ会場で催し物や、

陸上競技の大会も同時に行われていて、大賑わいである。

春から新緑の季節へ、生命の輝きが満ち溢れる自然豊かな

会場に、これまた生命の象徴のような元気な子供たちの歓声が

響き渡る。

普段は人が多い場所は苦手なのだが、この時ばかりは、ただ

そこに居るだけで嬉しくなるような幸福感を満喫していた。


開会式が始まる直前、息子のチームを発見した。

「!」

そこには息子を含め、見事なまでに小さくて痩せっぽちな

少年力士が5人、監督を先頭に整列していた。

先鋒・次鋒・中堅・副将、そして大将である息子・・・

よくまあここまで揃いも揃ってヒョロヒョロばっかり集めたなぁ。

しかも何年生の子かしらんが、先頭に並んでる上級生で

大将の息子のケツをぺタぺタと触って喜んでる奴が居る!

「ウチの学校、勝つ気ねえなコリャ」


そしていよいよ開会式が始まり、ついに熱戦の火蓋が切って

落とされたのであったーーーーーーーーー!



果たして、この痩せガエル軍団が起こした奇跡とは!?

次回・後編へつづく


























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青竹

相撲は必ずしも体重や体格で決まるものではないようですね。
千代の富士も小柄でしたが、圧倒的な強さを誇っていましたし。
息子さん、頑張られたことでしょう。
それにしても心優しい息子さんですね。
by 青竹 (2014-03-26 22:32) 

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