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受け継がれる魂 (エピローグ) [真夏の特別篇]

さて、3か月にも渡ってお送りした今回の
ダレトクヒメジツアー真夏の特別篇も、この
エピローグをもって終了です。
ホントに、読んでも何の得にも為にもならない
文字通りダレトクな企画に目を通して下さった
皆さま、ありがとうございます。
それでは最後、もう少しだけエピローグに
お付き合いいただければ幸いです。


前回の記事で無事に帰って来たイロドリと
ニャアコだが、エピローグはその数時間前に
遡る・・・


名古屋から来てくれた、ぢゅんとアミさんと
イオンの駐車場で別れる際、お互いに持参した
土産を交換した。

ぢゅん からは、彼が写したアミさん家の猫、
4ニャンいるうちのイロドリが1番お気に入り
の猫の写真を引き伸ばし額に入れたものと、
前回の記事の写真に写ってる、名古屋限定?
「じゃがりこ手羽先味」

イロドリが持参したのは、かつての投稿で撮影
に使用し、ぢゅんがそれを見て欲しがった
ブリキで出来た古い猫のおもちゃと、鳥取名産
「らっきょうの漬物」
そして、炊飯時に混ぜて炊くと「のどぐろ」の
御飯ができるという「のどぐろ飯のもと」…
のはずだったのだが、なんとどこかで紛失して
しまいこれだけは渡せなかった。
なまじ「土産に買っといたるわ」と期待させて
ただけに彼の落胆は大きく、未だにインスタの
コメント欄などで、電車の乗り間違いとともに
ネタにされている。

そんなこんなで最後までハプニングだらけの
半日だったが、後ろ髪を引かれつつも帰路の
無事と再会を願いつつ彼らを見送ったあと
イロドリとニャアコが向かった先は、いつもの
あの場所である。

・・・が、その前に

この「大切な場所」へと向かう道すがら、気に
なっていたもう一つの場所へ立ち寄った。
それは2年前のダレトクヒメジツアーで知った
、かつての行きつけの本屋とレンタルビデオ屋
が閉店となった跡地だった。

姫路に住んでいた6年間、毎日のように足繁く
通い、こちらに引っ越してからも姫路に戻れば
ちょくちょく寄っていた憩いのスポットだった。

そこは前後2棟、2階建ての建物で、前は1階が
酒屋、2階がレンタルビデオ屋になっていて、
後の建物は1階が本屋、2階がCDやDVDの販売
だったが、一昨年久しぶりにニャアコと訪れて
みると、その前の年に既に前後とも閉店になって
いた。
去年は姫路に行けなかったので、その後どうなっ
たのか気になってて、今回確かめに行ったら、
レンタル屋だった前の棟には「TSUTAYA」が、
本屋だった後ろの棟はデイサービスの施設へと
変貌を遂げていた。

姫路の地を離れて20年…やはり、どこもいろんな
ものが変わってゆくのだな、と感慨深い思いで
その場を後にした。


そしてイロドリとニャアコはいつもの大切な
場所へ・・・

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まるで白昼夢のような、誰も居ない真夏の
昼下がりの土手を歩く。

姫路を流れるこの河…もう何度も書いているが
(そしてそれをいちいち覚えてる人はいないがw)
ここで40数年前、激流にのまれた子供を救出
すべく出動した2人の消防隊員の方が殉職された
。そのうちの1人はイロドリの親友のお父さん
だった。

今年、仕事中にスマホでヤホーのニュースを
見ていると、この河で流された人を、近所の
人達が協力しあって救出し、警察から感謝状を
もらったという話が出ていた。
それも2回も。

おそらく河の水の量も勢いも、40数年前とは
違っていただろうし、場所もちょっとは、ずれて
いただろうけれど、流されそうになってる人を
飛び込んで助ける、という行為があったことを
知った時、この地に眠り、見守り続けている
お二人の魂は、きっと協力してくれただろうと
思わずにはいられなかった。

IMG_20180804_175446_282.jpg

川沿いの土手に咲く花
何だか、幹から直接咲いてるような不思議な
咲き方だったので思わずパチリ

さてさて、これをもちましてようやく
ダレトクヒメジツアー「真夏の特別篇」
終了でございます。
こんなくっだらない旅にお付き合い下さった
心優しい奇特な皆様、有難うございました。

IMG_20181028_101514_029.jpg

ニャアコもお疲れ・・・
てか薄目が怖い(笑)


ダレトクヒメジツアー「真夏の特別篇」完



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真夏の昼の夢 [真夏の特別篇]

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今は閉鎖されてしまった「写真を加工し投稿も
出来る」というインスタグラムの亜流のような
アプリで出会い、4年半にわたってコメント欄で
交流を続けてきた「まだ見ぬ心の友」(と、その
パートナーの女性)と姫路の地で初めて対面した
イロドリ。

3人はさまざまなハプニングやアクシデントに
遭い、予定の時間をかなりオーバーしながらも
何とか世界遺産&国宝の姫路城を登りきったの
だった。

よりによって8月の炎天下、観光客でごった返す
中での「天守閣までとりあえず見てきました」的
レベルの強行軍だったので城の敷地内から離れる
頃にはもうフラフラで会話も少なくなっていた。
本来の計画ならイオンで会った時に変身ニャアコ
を紹介し、一緒に城でも写真を撮ったりするはず
だったが、2人とも全く話を振ってこなかったの
で、ついにカバンから出せないまま姫路城を後に
したのだった。

姫路駅に向かう道すがら、あまりにも暑いので
涼みがてら昼ご飯を食べていこうというで、
みゆき通り商店街の中の、うどん屋さんに入る。

おいおい、キミらホンマに時間大丈夫なんか?

昼飯時からちょっとズレていたので待つことなく
すぐに座れた。
店内の冷房と冷たい麦茶で生き返る~
それぞれが、丼ものと&うどんのセットを注文し
待っている間、隣でスマホをいじっていた ぢゅん
が言った。

「何コレ?ウサギちゃん今日投稿してんじゃん」

どうやらインスタをチェックしていて、この日
イロドリが出発直前と道中の音水湖で撮って投稿
したニャアコの写真を見つけたらしい。

IMG_20180804_070414_747.jpg

「ああそれな、今朝来る途中で撮ったんや」

「ちゃっかりしてるなぁ、で、この子、今
 連れてきてるの?」

キターーーーーーーーーーーーーーー(≧◇≦)!

「実は連れて来てんだよ、ジャ~ン♪」

何と!遂に!まさかのうどん屋の中で、変身
ニャアコ登場!イロドリ以外の人間にその姿を
見せるのは初めてである!

カバンの中から恥ずかしげに登場したニャアコ
を、珍しそうにしげしげと眺めていた ぢゅんが
おもむろに・・・

「そうだ、記念に写真撮ろうぜ」

と、いう事で、変身ニャアコを挟んで ぢゅんと
イロドリの奇跡の3ショットである(笑)
この時、シャッターを押してくれてたアミさんの
視線が、あたたかいものだったのか、冷ややかな
ものだったのか、今となっては知る由もない。

ちなみにこの「奇跡の一枚」、ぢゅんのスマホ
だけで写したので、帰って加工したらワシにも
送ってくれと頼んだのに、2ヶ月以上経った今
だに送ってこない(笑)よほどイロドリの顔が
ドイヒーだったので、気を遣ってくれてるのだ
ろうと思って残念ながら諦めた(笑)

それぞれ何を注文したのか忘れてしまったが、
物凄く美味くて3人とも満足したことと、会計は
3人分アミさんが払ってくれたことだけは、この
先も忘れないだろう。

こうして楽しい時間は、あっという間に過ぎ去り
いよいよお別れである。姫路駅から飾磨駅へと
戻り(さすがに帰りは間違えなかったぞw)
イオンの駐車場で名残を惜しみつつ握手で再会を
誓うオッサン2人。
この時のアミさんの、母親のような口調で

「また誘ってやって下さいね」

といった一言が妙に印象的だった。
ぢゅんもまた人づきあいが苦手なのだろう。

今度はいつ会えるだろうか。



そして帰り道・・・

ぢゅん達と別れた後、帰る前にいつもの「聖地」
を訪れたのだが、それでもまだまだ時間的には
早いくらいだったが、猫屋敷にも寄らないと
いけなかったかったので寄り道せずに帰路へ
向かった。

往路は朝の爽やかな風の中、ニャアコと共に
ハイテンションの車中だったが、帰りのBGMは
スピッツの3枚組のベストアルバムである。
だいたい、ヒメジツアーや神戸に帰る時など
長い距離を運転する時は、1枚のCDだとすぐに
終わってしまうので、2枚組とか3枚組の、
ベスト盤や80年代の洋楽のオムニバス盤を借りる
のだが、その3枚の内の1枚に好きな曲が集中
していることが多く、結局3枚の内の1枚だけを
バカみたいに繰り返し繰り返しヘビロテで聴くと
いうのが毎度のお約束だった。

今回のスピッツの3枚組ベストも例外ではなく、
「ルキンフォー」という曲がお気に入りで、これ
ばっかり繰り返し流しては口ずさみながら帰路を
急ぐ。

ルキンフォー めずらしい 生き方でもいいよ
誰にも まねできないないような
燃えカス時代でも まだ燃えそうなこの
モロく強い心 君につなげたい
かないそうな 気がしてる ♪

ルキンフォー = Looking for =さがしている

約半世紀に渡って生きていながら、自分以外の
何者にもなれず、才能にも容姿にも恵まれない
まま、この歳になって今だに自分の行くべき
道をさがし、迷い道クネクネなイロドリには
ピッタリの曲だった。

朝、来た道と逆の方向を走るイロドリ達の前には
デカいトラックが走っていた。
峠の下りの坂道でそのトラックは「ゆずり車線」
に寄ってくれて道をあけてくれた。
追い抜きざまにチラッと横を見ると、何と、朝、
登り坂でも道を譲ってくれた、あの運送会社の
トラックだった。
仕事を終えての帰りなのだろうか・・・

登り坂の時はスピードが出ずに、せっかく譲って
もらっても追い抜くことが出来ず、ノロノロと
後にくっついて行ってしまったが、下りはさすが
にスイスイと好意に甘えて抜かせてもらった。

こんな何気ない偶然さえ、ちょっとした奇跡に
思えるような、夏の午後の優しく気だるい空気の
中、スピッツの曲でさらに感傷的になりながら
(笑)無事に猫屋敷へと辿り着き、猫の姿へと
戻ったニャアコに別れを告げて家に帰り、
こうしてささやかな「真夏の昼の夢」は終わりを
告げたのでありました。


本当は書きたいことも書かないといけないことも
沢山残ってるんですが、一旦終わらせないと
ホントに年を越してしまいそうなので、これで
ダレトクヒメジツアー「真夏の特別篇」は終了
です。

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次回、ちょっとだけエピローグ(笑)



















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イロドリ様御一行の御成り~ [真夏の特別篇]

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予想外のアクシデントにも屈せず、何とか
姫路駅に降り立ったイロドリ一行。
白鷺城こと姫路城を目指し、ずんずんと商店街を
縦断してゆく。

商店街の薬局にて
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商店街を抜け、しばらく歩きいよいよ城の敷地の
門をくぐる。

・・・それにしても暑い!

この記事を書いてる現在は9月の下旬で、もう
朝晩はすっかり寒いくらいの時期になってきて
るが、この日は8月の最初。猛暑の真っ只中で
ある。文字通り猛烈に暑かった。

そして観光客が多い!

まあ、これも夏休み真っ只中の、しかも土曜日
だったので、仕方ないっちゃ仕方ないのだが…
だいたい、ニャアコと二人で訪れるダレトク
ヒメジツアーは、春か秋の平日なので城の周りの
観光客も少なめなのだが、さすがにこの日は
商店街から既に大賑わいだった。

そして外国人が多い!

よくよく見るとやたらと外人さんが多い。
少なく見積もって「6対4」いや、下手すると
「7対3」くらいの割合だ。それも中国とか
韓国とかじゃなく欧米系(どこやねん)や、
ベトナム、東南アジアっぽい観光客が目を引く。

そんなこんなで城の敷地内を、愛用の一眼レフで
パシャパシャと撮影する、ぢゅんと、日傘をさし
ながら優雅に歩くアミさん、そして何故か
不自然にデカいバッグを背負ってついてゆく
イロドリ・・・


(ねえねえ、イロドリちゃん!)

(何だよ)

(アタシずっとこの中に入ったままだけど、
 2人に挨拶とかしなくていいの?)

(うーん、俺の計画ではイオンで会った時点
 でニャアコにも登場してもらって4人で行動
 する予定だったんだが、雰囲気が微妙すぎて
 何か出てきてもらいづらいんだよなあ…)

(しっかしいつもながらパッとしないわねえ)

(まあまあそう言うなよ、チャンスがあれば
 ちゃんと紹介してやるから)

(どうでもいいけどメッチャ暑いんだけど)

(スマンスマン)


そうなのだ、不自然にデカいバッグの中には
2人に紹介するべく連れてきた変身ニャアコが
入っているのだった。
当初の予定では会ってすぐにアミさんあたりが

「ねえねえ、いつも写真に写ってたあのお人形
 、今日は連れてきてないの?」

とか話を振ってきて

「ちゃんと連れてきてますよ~ジャ~ン♩」

とか言いながら登場させるはずだったのだが、
想像してたのと色んな面で違う展開となって
しまい、すっかりタイミングを失ってしまった
のだ。

やがて無言のままドンドン進んで城の入場券
売り場に到着した。
そして当たり前のようにカネを払って切符を
買い、中へと入ってゆく2人。

え~!? マジで入るんか?時間大丈夫なんか~?

…実を言うとあまりの暑さと人混みにすっかり
疲れてしまい、不覚にも
(時間もないし、今日のところは外から見た
 だけでええんちゃうんか…)
などと、けしからん考えが頭をよぎってたのだ。

いや、待て、俺は来ようと思えばまた来れるが
この2人にとっては、次、いつ来れるかわから
ない、ひょっとしたらもう次の機会はないかも
しれないせっかくの登城のチャンスじゃないか。
しかも時間がないのは俺が電車を間違えたのも
関係してるんじゃないか(笑)
わざわざ遠いところから来てくれた心の友に
対して、これじゃ失礼だろ。

そう思い直し、変身ニャアコが入ったバッグを
担ぎ直し、2人の後を追うイロドリ。
それにしてもこの2人なんでこんな元気やねん。

この2人は違う人達です
DSC_1155.JPG

かなり時間がおしてるということもあり、城内
の写真もほとんど撮ることなく、ゆっくりと
見学することもなく、本当にただ、上がって
降りるだけの強行軍だったが、それでもやっと
の思いで辿りついた天守閣からの眺めは格別で
感慨深いものがあった。

_20180805_141636.JPG

こうして、どうにかこうにか姫路城にも登る事が
出来、フラフラになりながら降りてくると、既に
予定よりもかなりの時間が過ぎていた。

別れの時が近づいていた。

DSC_1150.JPG

(つづく)





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人生は桃電のように [真夏の特別篇]

「ぢゅん…スマン、ど~うも反対方向の電車に
 乗ってしもたみたいや・・・」

「・・・はぁ?」


初めての対面の感動もそこそこに、限られた
時間の中、1分1秒でも早く目的の姫路城へと
急ぐイロドリ達3人だったが、ここでまさかの
間違って反対方向の電車に乗る、という痛恨の
非常事態が!(笑)

ただでさえ滞在時間が短いうえに到着が1時間
遅れている中でのこのロスは痛い!痛すぎる!
そしてアホ過ぎる!

仕方ないので途中で気付いた3駅目で一旦下車。
本来なら姫路駅に到着してる時間である。

再び姫路駅を目指して乗り換えるべく降りた
駅は、殆ど人の気配がなく、ベンチにポツンと
おばちゃんが1人座ってるだけだ。
一応、念のために確認してみた。

「あの~すいません今度来る電車って、姫路駅
 まで…行きますよね?」

「いや、これは線が違うから一旦、飾磨駅で
 乗り換えなアカンよ」

「・・・( ゚Д゚)!」

反対方向だけならまだマシだったが、何と
全く別方向のローカル線に乗ってしまってた。
結局、出発地点の飾磨駅まで3駅戻り、
そこから更に姫路駅まで3駅進むという…
何やこれ!懐かしの「桃太郎電鉄」か!(笑)

参考画像「桃電」
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そして俺はキングボンビーか!(笑)

参考画像「キングボンビー」
_20180915_174255.JPG

そして次の電車が来るまでが長い!

「…ま、こういうのも、いかにもウサギちゃん
 らしくていいんじゃねーの?」

飾磨駅へと戻る電車を待っている間、ほぼ
無人駅のような雰囲気のホームの様子をカメラ
に収めながら、ぢゅんは言った。
そしてパートナーのアミさんは、おそらく

「コイツ…足らないのは髪だけじゃないな」

と呆れていたに違いない。

このアミさん、SNSでは結構、豪快な感じの
コメントしてたりして、自分の中では女傑っぽい
イメージがあって、今回の道中でもシャイな
おっさん2人の初対面のぎこちなさをイジッて
盛り上げてくれるかも、と密かに期待してたの
だが、実際に会ってみると実に穏やかな女性で、
物静かで口数も少なく、超・超・人見知りの
イロドリにとって微妙な空気が漂っていた。

さらにアミさん、着てる上着がノースリーブで
これがまた「隠れ腋フェチ」なイロドリに
とって、非常~に目のやり場に困る、何とも
悩ましい厄介なシロモノだった(アホか)

そうこうしてるうちに、まず振りだしの飾磨駅
に戻る電車がやって来て、そこから今度こそ
ちゃんと姫路駅行きの電車に乗り換えて、何とか
ようやく無事に姫路駅まで到着する事が出来た。
どんだけやねん、しかし。

ただ、無事に着いたのはいいが時間が・・・
この、電車の乗り間違いだけでも相当なロス
である。帰りの名古屋方面の渋滞を考えると…
う~ん…城に登るのはさすがにキツいかな。
とは、言い出せないまま、城へと続く商店街
「みゆき通り」を、ずんずん進む3人。

果たしてこの後、はるばる尾張の国から来て
くれた客人は、国宝&世界遺産、姫路城に登る
ことが出来たのか?

そしてその2人と変身ニャアコの奇跡の対面は
実現するのか?

以下、次回へ~♪

(つづく)











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尾張の国から来た男 (と、淑女) [真夏の特別篇]

何の連絡もないまま約束の待ち合わせ時間が
30分程経過し、さすがにこれはちょっとこちら
から電話してみたほうがいいなと思い、スマホを
取り出しかけた時、着信音が鳴った!

「もしもし、ウサギちゃんか?遅れて悪いな、
 道が混んでてそっちに着くのが9時50分に
 なりそうや」

「50分頃じゃなくて50分ジャストやな?(笑)
 別に遅れてもええから、安全運転で来てくれ」

とりあえずドタキャンでなくて良かった(笑)
しかし、ただでさえ昼くらいまで、と時間が
かなり短く限られているのに更に1時間遅れと
なると実質、会ってる時間は2時間程度だ。
まあ今回はお互い初めての顔合わせという事で
それに関しては納得済みだが、さすがに姫路城に
登るというのは、ちょと無理かも・・・

そして約15分後、宣言通り9時50分に到着の
連絡が来た。1階のフードコートで待ち合わせ
の約束をし、2階に上がって嬉々として待ち伏せ
するイロドリw…おっさん、歳いくつやねん

しかし、いざ2階から見下ろしてみると、土曜日
ということもあってかフードコートは結構な
混み具合で、人が多くてゴチャゴチャしてて誰が
誰だかさっぱり判別できない(笑)

「お、あれかな?」

目を皿のようにして見ていると、何かそれらしき
カップルがいた。
男性の方がキョロキョロと人を探してるっぽいの
だが、遅れて申し訳ないと急いでるのか、かなり
挙動不審な感じだ。上から見てるとまるで空港で
容疑者を探してるドラマの刑事のようだ。

さすがに気の毒になって2階から降りて近づいて
行こうとしたが、人が多くて今度はこっちが
見失ってしまいそうだ。早足でキョロキョロ
してる二人を見つけ、急いで近づき正面に回る。
嗚呼!遂に対面の瞬間。

「よお、ぢゅん!」

「あ、ウサギちゃん?てめー、どうせ上から
 見てたんだろコノヤロー」

さすがに4年半、コメントをやりとりしている
だけのことはあり、会うのは初めてでも考えてる
ことはバレバレだ。

尾張の国からはるばるやって来てくれた二人

ぢゅん(仮名)とアミさん(仮名)

実は、このアミさんとも一時期コメントの
やり取りをしていたことがあった。
彼女の家には4匹の猫がいる。
アミさん自身も家族であるこの4ニャンの写真
を投稿していたのだが、一緒に住んでいない
実質的なパートナーである、ぢゅんも自由にアミ
さんの家に出入りし、この4ニャンの写真を
撮って、自分の家に帰って加工し投稿していた。

どう見ても同じ猫(それもかなり個性的な)の写真
を、どう見ても別人である人達がそれぞれ投稿
している…事情を知らない人が見ると混乱して
1人の人が男性と女性のキャラと名前を使い分け
て面白がって投稿していたと思ってたらしい。
(あしゅら男爵かw)

こうして初めて二人に会った印象は「若い!」の
一言に尽きる。
ぢゅん に至っては髪の毛が赤い!w
伊達に50過ぎてV系のバンドのライブに参戦する
だけのことはある。髪の量が羨ましいぜ。

出会えた感激と挨拶もそこそこに、限られた時間
の中で3人が目指すのは・・・

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その名も、白すぎ城…ならぬ白鷺城こと「姫路城」
(何回このネタ使っとるねん)

車はイオンに停めたままにし、最寄りの飾磨駅
から電車に乗って行こうということで歩いて駅へ
向かう三人。並んで歩くと、最年少のはずの
イロドリが一番老けて見える・・・
見た目は老人、知能は子供!まさに逆コナン君

この時点で既に時刻は午前10時すぎ
電車に乗って姫路駅で降りてそこから商店街
「みゆき通り」を縦断し、城の麓に着いたら
多分11時か…こりゃ登るのは無理かな?
しかも運悪く飾磨駅から姫路駅まで一気に行ける
特急が一足違いで目の前で発車してしまった。

「チェッ!くそっ、しゃあねえな、こっちの
 各駅停車に乗って行くか」

仕方なしに反対側に止まっていた各駅停車の車両
に二人を誘導するイロドリ。
特急だったら次で着くのにこれじゃ2駅余分か…
車内のクーラーが効いてて心地よいのがせめて
もの救いだ。

やがて数分後に電車は動いた。

一駅目到着・・・
あれ?こんな名前の駅やったかな?まあ十年近く
乗ってなかったから駅名が変わったんかもしれん
しな・・

二駅目到着・・・
あれ?こんな名前の駅やったかな?・・・
え?次は「夢前駅」?なんだそれ?

・・・まさか!

・・・まさか電車が逆走しているッ?
いや違う、反対方向の電車に乗ってしまった!
そんなバカな!


「ぢゅん…スマン、ど~うも反対方向の電車に
 乗ってしもたみたいや・・・」

「・・・はぁ?」


(つづく)























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ビューティフルサタデー [真夏の特別篇]

8月某日、早朝・・・
朝日に煌めく日本海を臨む国道を、妙なテンション
で走る1台の車が・・・

イロドリ&変身ニャアコ
「S・A・TUR!TUR!HEY!!!」

「S・A・TUR!TUR!HEY!!!」

「S・A・TUR!TUR!HEY!!!」

イロドリ
「フンフフ~フフフ♪サタデナイ♪サタデナイ♪…」

ニャアコ
「歌詞知らんのか!しかもサタデナイ♪って、まだ
 夜が明けたばっかりじゃないの」

「フフフ…これから起きる奇跡のような出来事で
 、きっと今夜は最高のサタデーナイトになる
 はずだからな、前祝いだよ、前祝い♪」


説明しよう・・・
前回の記事でお知らせした通り、約4年半、
ネットの写真投稿アプリで親交を深めてきた、
まだ見ぬ「心の友」と、姫路の地で初めて会う
約束を交わしていたのだ。
会おう、と約束してから何度も予定が流れ
(全部イロドリ側の事情でw)、ようやく実現
しようとする対面に、胸の高鳴りを隠せない
イロドリであった。


「いやあ、こんなに心躍る土曜日なんて、小学校
 以来かなあ」

「どんだけ寂しい人生送ってきたのよ。でも
 人嫌いのくせに、こんなに人と会うの楽しみに
 してるなんて珍しいわね」

「ブログで出会った人達や、cameranで繋がった
 人達とは、見えない絆で結ばれてるのさ」

「ふーん、50手前のおっさんが50過ぎのおっさん
 に会うのにこんなに喜ぶなんて、アンタ達アレ
 じゃないの?ホラ、今流行の、おっさんずラブ
 とかなんとかいう…」

「いやいや、残念ながらそっちのケはねえし
 それにな、一人で来るんじゃねえんだ。
 何と事実上のパートナーの女性も今日一緒に
 来るんだよ」

「事実上のパートナーの女性…なにその奥歯に
 物が挟まったような言い方」

「まあ、いろいろと複雑な間柄なんだよ。しかし
 ただでさえコミュ障レベルの人見知りで、
 おっさんに会うだけでも緊張するのに、女性
 同伴だからなあ」

「その2人はイロドリちゃんが浮浪者みたいな姿
 だって知ってるの?」

「いや、会った時にわからないから写メ送れって
 何回も言われたけど、恥ずかしいから送らん
 かった」

「どうやって現地で会うのよ」

「あっちの顔は写メ送ってもらってわかってる
 から、そーっと近づいて驚かしてやるんだよ」

「シカトされるか通報されてる姿が目に浮かぶわ」


などと和やかな雰囲気のまま、車はいつもの
ダレトクヒメジツアーのルートを走る。
夏休みの土曜日ということもあってか道路は
所により微妙に渋滞といった感じか。
はっとう→若桜と道の駅を通過し、戸倉峠へ。
グネグネの登り坂、先を行く運送屋のデカい
トラックが気を遣って登坂車線の度に左に寄って
道を譲ってくれるのだが、追い抜いてゆくだけの
スピードが出ない(笑)せっかくだが、お気持ち
だけありがたく頂戴し、ノロノロと後ろを追走
するイロドリ一行。
やがて、いつもの「謎の流しそうめん処」も越え
、音水湖へ。


「ふー、このペースだと余裕持って着きそうだな
 、どれちょっと一枚撮るか」

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「で、何時に会う約束してるの?」

「9時。それがスゲーんだぜ、昨日昼まで仕事
 して、夕方、名古屋から京都に着いて、夜2人
 でライブに参戦してそのまま一泊して、今朝
 京都を出発して今こっちに向かってる最中
 なんだよ」

「若いわねえ、イロドリちゃんもちょっとは
見習ったら?」

「無理無理、ワシ、虚弱体質やし」


そうなのだ。なぜわざわざ、この例年以上の猛暑
の真っ最中に会う約束をしたのか…それは
前日、京都で行われる彼ら2人の好きなバンドの
ライブのついでに姫路まで足を延ばすという事で
実現する、初めての対面だったのだ。

彼らからしてみれば、

名古屋で昼まで仕事→車で京都へ移動→夕方、
ライブで熱狂→一泊して早朝に京都出発→姫路へ
という強行軍である。
しかもこの日は夕方、女性の方が夜、同窓会に
出席するため道路の混雑状態も考えて昼過ぎには
帰らないといけないという(笑)
男性の方は姫路城に登るのを楽しみにしているの
だが、果たしてそんな時間はあるのだろうか…

そうこうしてるうちにイロドリチームは無事、
約束の午前9時ちょっと前に集合場所である
いつものイオンに到着

「さ、ニャアコ!着いたぜ!」

「zzz…」

「ひいぃ寝てるぅ!?……って何、初期の頃の
 懐かしいボケやってんだよ」

「バレたか」

「いよいよだなあ、緊張するなあ~」

「おめでたいおっさんだこと。でもそれっぽい
 車、見当たらないけど」

「まあ、京都からだからなあ、多少は遅れるだろ
 うな」

「その人達、何時に出発したのよ」

「知らん」

「は?」

「いや、昨日の夜か今日の朝の出発前のどっちか
 に電話してくれって言ったんだけど、かかって
 こないんだよ」

「大丈夫なの?実は京都にすら来てなかったって
 いうオチじゃないでしょうね」

「んなアホな」

9時の開店と同時に店に入り、ウロウロしながら
到着の連絡を待つが、到着の連絡どころか遅れる
という連絡すら来ない。

10分…20分…30分…

道が渋滞してるのか、あるいはニャアコの言う
ようにまさかの無断ドタキャンか!?
さすがに心配になってこっちから連絡しようと
したその時!スマホの着信音が鳴った!

来たのか!?


(つづく)
















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プロローグ [真夏の特別篇]

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ダレトクヒメジツアー・・・

ここ数年は仕事の忙しさや引っ越しなどの家庭の
事情などで、姫路に行く暇もなく、ブログ記事の
投稿も年々減る一方なので、このままこの企画も
誰にも気づかれないまま、ひっそりと消滅して
しまうのか…と思っていた矢先、2年ぶりのまさか
の復活~!

しかし元来、暑がりで、人の賑わう場所が大嫌いな
イロドリが、よりによって真夏の、しかも夏休みの
土曜日という最悪の混雑時に、何故わざわざ姫路
まで変身ニャアコと共に出かけたのか?



それは今を遡ること5年前の冬・・・
それまで愛用していたケータイが度重なる修理の末
ついに天寿を全うし、ショップの店員さんの執拗な
薦めに負けてついにスマホに機種変更した。
最初にGoogleのアプリをインストールしないと
スマホが作動しませんよと言われ、よくわからない
まま、ついでにFacebookやらインスタグラムも
入れて、ニャアコの写真なんかを投稿してみたが
誰からも「いいね!」は来ず、かと言って他人様の
写真にも興味はなかったので、そのまま何カ月も
放置していた。

やがて年が明けて2014年になり、スマホの操作にも
ようやく慣れ始めた春頃、撮った写メを加工できる
アプリなるものをインストールした。
それは某・女性写真家が監修で協力しており、彼女
の独特の世界観を再現したフレームやフィルターが
使用出来るというシロモノだった。

撮った写真を簡単に白黒にしたり、セピア調に
したり、現実にはあり得ないような色彩に加工
出来ることも驚きだったが、それ以上に斬新だった
のは、ただ撮って加工するだけでなく、インスタ
グラム同様それを投稿する機能があるということ
だった。

もともとが機械音痴なので、慣れるまでに時間が
かかったが、投稿の機能を使い出してすぐに…
おそらく2人目くらいの速さでフォロワーになって
くれた人で、ちょっと変わった男性が居た。
最初に「いいね!」に添えられたコメントの口調が
妙にフランクな感じだったのだが、以後お互いの
写真に「いいね!」やコメントを応酬するたび
彼の口調はどんどん馴れ馴れしくなってゆき、
しまいには私の事を「ウサギちゃん」と呼ぶように
なった。

イロドリウサギ

このソネットのブログで初めてこの名を使い始めて
約6年半…その後もありとあらゆるSNSの中でこの
名を使っているが、呼ばれる時のほとんどは
「イロドリさん」とか「イロドリ氏」であり、
「ウサギちゃん」などと呼ぶのは彼くらいである。

初めてインストールしてから4年間、時には誤って
時にはわざとにアンインストールして、その都度
フォロワーは減ったり増えたりを繰り返したが
何度アンインストールして名前を変えてゼロから
やり直しても、彼との交流は続き、全く違う名前に
しても「ウサギちゃん」と呼ばれ続けた。

そして「cameran」という名のそのアプリは
いろいろと迷走を繰り返した挙句に今年の春、閉鎖
になってしまった。

前もってアプリ終了のお知らせが出た頃、どちら
からともなく、一度会おうという話になった。
本当は閉鎖される前に会って、同じ被写体を撮影し
同じ時刻に投稿して、共通の仲の良いフォロワー達
を驚かそう、と企画していたのだが、色々あって
延期に延期を重ね、最終的に8月の最初に姫路で
会おうという約束になった。

そう、
今回のダレトクヒメジツアーの目的は、まだ見ぬ友
と姫路で会うことだったのだ。

果たして、無事に会うことはできたのか?

それはこれからの本編で・・・(≧▽≦)

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ジャ~ン (^^♪


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