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さて正解は・・・・? [オススメ]

前回の投稿から1カ月近く経ってしまいまし
たが、果たしてこの ↓ お嬢さん2名は一体
誰だったでしょう?皆さんわかりましたか?

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正解は・・・?

向かって右は「ブラック・ジャック」のピノコ
そして左は「さるとびエッちゃん」

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でした~!

なぜに奇跡の競演なのかと言いますと
マンガ好きの方はご存知の通り、
ピノコの登場する「ブラック・ジャック」は
手塚治虫先生の作品、
さるとびエッちゃんは石ノ森章太郎先生の
作品、ということで、何と!昭和の…いや
日本の漫画界の2大巨匠のキャラが時代と
出版社の壁を越えた夢の2ショットとして
フィギュアでまさかの実現と相成ったので
ありました。

いや~ホントいい時代になりましたねぇ
やっぱり長生きはするもんですな。


実はこのフィギュア、

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↑ というイベントで販売されていたものなの
です。この2人の他にも

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こんな感じで、手塚・石ノ森、両先生の
漫画のキャラがペアでセットになってます。
(他にもアトム&サイボーグ009など6種類)
シークレットは勿論、両先生ですねコレw
しかし、こんなイベントやってるなんて
全く知らんかった…行きたかったぜクソッ

ちなみに個人的にエッちゃんが好きなので
「まんだらけ」の通販で買っちゃいましたよ。

・・・と、いう事で、残念ながら正解者は
いませんでした~

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ニャアコ
「正解者ゼロっていうより回答した人が
 ゼロじゃないのwこのブログ、ホントに
 読んでる人いるの?」
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チェストーーーーッ!名著 !?「大山倍達とは何か?」 [オススメ]

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本日、4月26日は、極真空手創始者であり
ゴッドハンドの異名を持つ「大山倍達」
総裁(1923~1994)の御命日ということで、
今から25年前、総裁が亡くなられた翌年に
購入した「大山倍達とは何か?」という
一冊をご紹介したいと思います。

え!? 大山総裁とか慣れ慣れしく言ってるけど
ひょっとしてイロドリって極真経験者?
と思われるかもしれませんが、全然そんな
ことはなくて、極真空手はおろか格闘技は
もとより何のスポーツもやってこなかった
ひ弱なおっさんでしかありません。
しかし、そんな ひ弱なおっさんですら、
読んだ後には畏敬の念を込めて「大山総裁」
と呼びたくなってしまうのが、この
「大山倍達とは何か?」という一冊なのです。

内容は、近しい関係者11人へのインタビュー
と、漫画「空手バカ一代」の主人公としての
大山倍達が繰り広げた虚々実々の名場面十選
がメインとなってます。
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このインタビューの顔ぶれが凄い!

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奥様の智弥子夫人は馴れ初めから新婚生活、
若い頃のお二人の生活の様子など。
大山総裁もかなりムチャクチャですが、
奥様の楽天家ぶりと天然ぶりはまさに
女・ゴッドハンド(笑)

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最近すっかり見なくなってしまった石井館長
自らの師であり、極真空手きっての天才
「ケンカ十段」で知られる芦原英幸 氏の
思い出話や、Kー1を通して格闘技を一般の
お茶の間に広めた思惑や経緯など。

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そして、後継者・松井章圭館長・・・

他にも草創期から総裁と共に極真空手を築き
上げてきた郷田・盧山 両師範の、当時の
貴重な話や、添野義二 士道館館長が総裁に
「息子」とまで呼ばれ、頼られていながら
極真を出て行かざるをえなかった事情など、
部外者が読んでも当時の光景が思い浮かぶ
ような深いインタビューが、時に笑いを交え
ながらつづいてゆきます。

個人的に一番ツボだったのは
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漫画「空手バカ一代」の「アメリカ遠征編」
で、実名で登場する遠藤幸吉 氏
劇中ではアメリカで強制された八百長の
タッグマッチを破棄して相手を途中でノシて
しまった為に、試合後ピストルを持った
ギャングに囲まれた際、突破するのに動きが
鈍い遠藤氏が足手まといになるから(笑)と、
手刀で眠らせて、その間にマス・大山が一人
でギャングたちを蹴散らしてしまうという、
とんだ噛ませ犬役!
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これを当時の検証としてご本人に見てもらう
という!(笑)
当然!?アメリカ遠征編の内容は全否定で(笑)

まあ、21世紀もすでに20年になろうかという
このご時世に「空手バカ一代」で描かれた
内容が事実だと信じてる人もいないでしょう
けど、更にこの後、1954年の「オール讀物」
という雑誌の記事の完全収録企画があって、
力道山との対談(これだけでも凄いけど)の中
で、有名な「牛殺し」について総裁自身が
「(牛は何度殴っても死なないから諦めた)
 だから、私が牛を殺すというのはウソです
 よ。万一、牛を殺せる人があったら会って
 みたいです。」
と、妙に説得力のある解説つきで否定してる
箇所があって、もうどこまでが事実でどこ
までがファンタジーなのかわからなくなって
くるというね(笑)

でも、大山総裁と極真草創期の方々が生きた
昭和の時代というのは、殺伐としつつも、
どこかおおらかなんだったんだなあと、少し
羨ましくなりました。

この本が発売されたのは1995年2月。
総裁が亡くなられてまだ1年も経っていない
頃で、この時はまさか、この極真空手が
分裂に次ぐ分裂を繰り返し、遺族や後継者が
骨肉の争いを繰り広げるなんて、夢にも
思わなかったので、あらためてカリスマ
創設者亡き後の組織の運営の難しさを実感
した記憶があります。

ぜひ、機会がありましたら読んでみて下さい
ませ。






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もうひとつの「生きる」 [オススメ]

「君は若い…健康で…どうして君はそんなに…
 そんなに君は活気があるんだ。私はそれが
 羨ましい。私は死ぬまでで…たった一度で
 いい、君のように生きて死にたい。
 私にはすることがある。私にはしなければ
 ならないことがあるんだ。
 だが…それが私にはわからない。
 君は知ってる。
 いや…知らんだろうが、君は知ってる。
 現に君は・・・」

「私は別に・・・」

「教えてくれ、どうしたら君のように
 生きられるのか」

「だって…ただ働いて、食べて…」

「それから!?」

「それだけよ」

「へ!?」

「ホントよ。だって私、毎日こんなもの
 (子犬のおもちゃ)を作ってるだけよ
 昔からのおもちゃみたい…懐かしい…」

ネジを巻くとテーブルの上でキャンキャンと
鳴きながら歩く子犬のおもちゃ

「こんなものでもね…作ってると楽しいよ。
 私、コレ作りだしてから、日本中の
 赤ちゃんと仲良しになったような気が
 するの。課長さんも何か作ってみたら?」

「あんな役所で一体何が出来・・・」

「そっか、あそこじゃ無理か・・・
 じゃ、あんなとこ辞めてどっか別の…」

「もう遅いよ」

一瞬の沈黙の後、自分の中で何かに気づく男
その姿を不思議そうに見る若い女性

「?」

「えへへへへへ」

「?」

突然、気が狂ったかのように笑う男の姿に
一瞬たじろぐ若い女性

「まだ遅くはない、無理じゃない!
 あそこでもやれば出来る!
 そうだ、やる気出せ、やる気を出せ!」

「・・・?」

呆気にとられる若い女性

「ああ、君コレ私にひとつ・・・」

女性が工場で作っていた子犬のおもちゃを
もらい、小脇に抱えて足早に立ち去る男

「私にも何か出来る…私にも何か…」


ドラマ版「生きる」より



いきなり長々と書いてしまいましたが、
今回は松本幸四郎さんが主演したドラマ、
「生きる」のネタばれ感想をお送りします。

ネタばれ…と言っても、オリジナルの
「生きる」はあまりにも有名な映画で、
世界のクロサワ、黒澤明 監督の代表作の
ひとつに数えられる不朽の名作なので
内容もラストもご存知の方が多いでしょう
から、ここでは大まかな紹介と私の好きな
場面を書いていきたいと思います。

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重厚なモノクロの画面と、何を喋ってるのか
聞き取りにくい志村喬さんの鬼気迫る名演が
印象的なオリジナルは「いかにも昭和」って
感じの舞台でしたが、リメイクされた本作は
画面もノリも、明るく軽い平成らしい雰囲気
でした。

妻に早くに死なれてから、男手ひとつで
育ててきた息子とその嫁からも邪険に扱われ
、何の楽しみもなく、来る日も来る日も
市役所で、文字通り「判で押したような」
仕事を続ける、生きる屍のような課長が
癌で余命わずかな現実を知らされて、一念
発起し、かねてからの住民の願いだった
公園の建設に、残された2ヶ月足らずの
人生をかける話。

映画版を最初に観たのは、まだ二十歳の時
で、何かの機会に強制的に見させられた
ということもあり、その暗さと、重さと、
志村喬さんの惨めな中年オヤジの熱演ぶり
に、気分がドーっとなって、感動よりも
「何ちゅうもん見させるんだ!」
という不快感のほうが強かったです。
しかし、それから10年近く経ち、いろいろ
と失敗や挫折だらけの人生で、私自身が
生ける屍へと落ちぶれてから、あらためて
何かの拍子でこの作品ともう一度出会った
時、涙なくしては観ることが出来ません
でした。
今では人生ベスト10に入る大切な映画です

…で、ちょっと前にTSUTAYAで見かけて
気になってたドラマ版を、この前やっと
借りてきたのですが、何ともう13年も前の
作品なんですねえ。

癌で余命を知って絶望する主人公が関わる
人物2人は
深キョン、深田恭子さんと、
我らが猫侍、北村一輝さん
深キョンはあまり演技が上手いようには
見えなかったんですが(ヲイ!)可愛らしく
て不思議な存在感がありました。
そして北村さんの濃いい顔は登場しただけ
で笑ってしまう!
娯楽や付き合いに無縁だった主人公を
華やかな夜の世界へ連れ回す彼の役は
映画版ではあっさりフェードアウトだった
けど、ドラマでは真面目一筋の主人公に
亡くなった自分の父親の姿を重ね合わせる
セリフがあったり、別れ際にあげた派手な
マフラーを、幸四郎さん演じる主人公が
亡くなる時まで着けてるという、若干
人情味のある演出でした。

さて、オリジナルの映画「生きる」と
聞いて、ほとんどの人は志村喬さんが
ブランコに揺られながら「ゴンドラの唄」
を歌うシーンを思い浮かべるでしょう。
確かに日本映画史上に残る名場面である
ことは異論の余地のない事実ですが、
ワタクシ個人的には、主人公が料亭か
どっかで、かつての市役所の部下で
今では玩具工場の流れ作業の仕事をして
る若い女性と話をするシーンが一番
好きなのです。

市役所に勤めていた頃とは違い、溌剌と
輝いて見える彼女に、なぜそんなに
生き生きとして過ごせるのかと尋ね、
主人公が残された生きがいを見つける
きっかけとなる大事な場面なんですが、
最初、何の関係もない女学生たちが
担任の女性教師の誕生会の打ち合わせを
してる様子を同じ画面の端で延々と映し
てるんですよ。
で、この子たち、主人公とこのあと
接点を持つんかなと思って見てると
別にそうでもない。
で、主人公が部下だった女性との会話の
中で、自分が成すべき事を悟る瞬間に
誕生会の主役の女性教師が到着して
女学生たちがハッピーバースデーの歌で
迎えるんですが、それがちょうど
死んだように生きてきた男が、生きる
意味を見出した、新しい誕生の瞬間を
祝福するように聞こえてくるという。
もうね、泣けて泣けて仕方なかったです。

結局、主人公とこの女学生グループは
最後まで全く関係なかったのですが(笑)、
ひとつの画面の中で、同じ空間で、
同時進行だった全く関係ないシーンが
ここまで見事にハマる演出を見て、
やっぱり世界のクロサワだ!と感動した
ものです。

ドラマ版ではこのシーンは平成らしく
高級レストランっぽい場所で、幸四郎
さんが使命に目覚め、店を飛び出て
いった後、女学生ではなく、客の女性
グループが入れ違いで遅れてきた友人
にハッピーバースデーを歌う演出でし
た。ちなみにこの記事の冒頭の長い
セリフはこのシーンの幸四郎さんと
深キョンの会話です。

そしてドラマ版も映画と同じように
失踪していた主人公が市役所に復帰し
、それまで他の課へたらい回しにして
いた公園の実現へ向けて、燃えて出発
する!
…というシーンの直後に幸四郎さんの
遺影が映って、50日後に亡くなった
というナレーションとともに、有名な
お通夜の場面へ。

実際に50日間、いかに主人公が公園
建設の為に奔走したのかを映すのでは
なく、お通夜の席での同僚たちの
目撃談として、残された命を振り絞る
姿が再現される演出も、初めて見た
時は斬新だなあと感動しました。

通夜の場で課長の最後の日々に感銘を
受け、俺たちもやるぞ!と決意した
ものの、数日経てばまたすぐに
やる気のない日々へと戻る同僚たち。
そんな中、亡き課長が命をかけて
住民の願いに応えて作った公園で
かつての上司を偲ぶ若い部下の役を
ユースケ・サンタマリアさんが、
イイ味だして演じてました。



今、自分が好きな事、生きがいに夢中に
なれる人は本当に幸福だと思います。
しかし、私を含め、せっかくの人生を
無駄に過ごしてしまってる人間は、この
課長のように死期を悟りでもしない限り
本気で「生きる」ことは出来ないの
でしょう。
でも、この課長のように、たとえ僅かに
残された人生でも、自らが生きる意味を
見出し、新しく生まれ変わった瞬間に、
どこからともなくハッピーバースデーが
聞こえてきたように、いつでも神様…
だかお天道様だかご先祖様かはわからない
けど、そんな存在が見守ってくれてる
感じがするのです。

人類史上、稀に見るコロナ禍の厄災で
明日が必ずあると言えない現在。
今日の命のありがたみを忘れそうな時
もう一度観たい作品です。






 


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ネタばれ注意「おもちゃ絵 芳藤」 [オススメ]

後悔だらけの人生だ。臆病のせいで、
目の前にあった色んなきらめきを悉く
掴み損ねている。
傍から見れば馬鹿げた人生だと笑われる
ことだろう。
けれど。
あたしの人生は空っぽだったかもしれない。
それでもあたしの筆先にはすべてが
詰まってるんだねえ。
だから、絵師は止められないんだねえ……。

「おもちゃ絵 芳藤」三章より

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浮世絵師・歌川国芳

田舎住まいで情報に疎い私でも、ここ数年の
全国各地の美術館などで行われてる様々な
「国芳展」の情報や写真はかなり耳目にして
おりました。行けんかったけど…w
関心のない方も、こういう写真を一度は
見かけたことがあるのではないでしょうか。
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今回ご紹介する、谷津矢車さん著
「おもちゃ絵 芳藤」は、その歌川国芳の
弟子である、歌川芳藤が主人公の物語です。

これはねえ、ワタクシ的にはかなり面白
かったですねえ~
もともと永谷園のお茶漬けのオマケの
カードで安藤広重や葛飾北斎なんかに
慣れ親しんで育った世代なので、こうした
江戸時代の浮世絵や風景画には勝手に
親近感を抱いてたので、3年前に図書館で
この表紙を見た時はソッコーで借りちゃい
ました。

物語は、師匠であり天才浮世絵師だった
歌川国芳が亡くなった朝の場面から
始まります(笑)
師・国芳の葬儀の段取り、そして数多くの
弟子たちが才能を開花させ巣立っていった
画塾「国芳塾」を、師匠亡き後どうするの
かに悩む主人公・芳藤
この話を皮切りに第一章は主な登場人物の
紹介を兼ねて、いくつか事件が起こります。

弟弟子の芳年と幾次郎、兄弟子の芳艶、
元・兄弟子の河鍋狂斎(後の暁斎)、
師匠の娘であり、今はそれぞれ嫁いでいる
お鳥とお吉
全員、後の世にその名と作品を残す実在の
人物が活き活きと描かれております。
一文字違いの似たような名前で最初は混乱
するかも知れませんが、それぞれキャラが
はっきりと描きわけられてるので、すぐに
馴染みます。
この、兄弟弟子とか師匠との関係って
落語の世界にも似てますよね。
思わず高校時代に貪るように何度も
読み返した、三遊亭圓丈師匠の
「御乱心」を思い出しちゃいました。
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続く第二章も幕末から明治へと移りゆく
激動の時代の中で様々な出来事が起こるの
ですが、こちらは多くの別れがあり、
妻との死別、弟弟子との決裂、「国芳塾」
の閉鎖を経て芳藤は世の中からも周囲から
も取り残されます。

実はこの芳藤、およそ主人公とは思えない
ほどグダグダな性格に描かれてるんですよ
今で言うところの「自己肯定感が低い」
ってやつですかね(笑)
自分の才能を信じきれないが為に、いつも
あと一歩が踏み出せず、あと一言が言い
出せず、せっかくの大きなチャンスを
弟弟子に奪われようが、親子ほど年の
離れた新鋭の絵師にコケにされようが、
肚の中では”ムカっ”ときながらも
「自分はこんなんだから仕方ない」って
結局、納得しちゃうんです。

もともと「おもちゃ絵」というのは
子供が切り抜いて貼り付けて遊んだりする
、文字通り、玩具としての浮世絵で、
役者絵や風景画と比べると、当時は、やや
下に見られる扱いだったみたいですね。
他の弟子達が大胆な浮世絵でブレイクして
ゆくなか、いつまで経っても子供相手の
「おもちゃ絵」を生業としていることが
芳藤の自虐的な性格の一因にもなっている
ようです。
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実際の芳藤が遺した「おもちゃ絵」


そんな性格だから新聞社に就職した幾次郎
からの安定した職の誘いも断り、昔から
ほのかに思いを寄せ合っていて、同じく
伴侶に先立たれた、国芳の次女・お吉との
再婚の道も自ら断ってしまうのです。
もうこの芳藤のウジウジぶり、中途半端な
”いい人”ぶりがワタクシ的にはシンクロ率
1000%の感情移入!
…ただし決定的に違うのは本当は才能が
ある、というのと、イイ女にモテるという
ところが私とは正反対なのですが ( *´艸`)

こうして自身の不器用な生き方を受け入れ
全てを失った芳藤ですが、意外な救世主が
現れて彼を「おもちゃ絵師・歌川芳藤」と
して覚醒させるべく導いてゆくのです。

その意外な救世主とは!

何と!何と!

名もなき「黒猫」だったのでありました~
(ΦωΦ) なーん、

最後の第三章はこの黒猫が、時には
励まし、時には諭すかのように
「なーん、」と鳴きながら孤独な芳藤に
寄り添います。
いや~全国のクロネコJAPANの同志の
皆さん、萌える展開ですね~
これだけでも読む価値があるってもん
ですぜ。

特に極めつけはラスト近くのこの場面

気分転換にフラリと散歩に出た芳藤が
いつの間にか先回りしていた黒猫に
誘われるように細い路地裏を四苦八苦
しながら通り抜けた先に、今まで見た
ことがない版元の店先に辿りつく。
そこでその版元の店主に10年前に
自分が描いた絵をベタ褒めされただけ
でなく、来る客、来る客が皆、自分の
絵を幸せそうな顔で買って帰る姿を
目の当たりにし、自分が描いてきた
ものが、自分がやってきたことが、
間違っていなかったと実感するのです。
…って「コンビニたそがれ堂」かよw

おそらくこれは芳藤に、自分の絵に
対する本当の思いをわからせる為に、
黒猫が見せた幻なんでしょうけども
この一件を期に、迷いを吹っ切り、
自分の描く絵に誇りを取り戻した
芳藤の元には、本来のおもちゃ絵の
仕事の依頼が次々と舞い込みます。
そして多忙ながらも充実した日々の中、
芳藤に最期の時が訪れるのです。

かつて憧れた兄弟子・芳艶のように
忘我の境地で絵を描きながら、そして
亡き妻と、生まれることがなかった子供
との生活、あるいは師匠の娘・お吉との
再婚後の家庭など、叶う事がなかった
もしもの別の人生にも思いを馳せつつ
穏やかに眠るように旅立つ芳藤。

遠くで、猫の鳴く声がした。

この最後の一行に書かれた猫は、
果たしてあの黒猫だったのか・・・

最後の第三章は、かなりファンタジー
が入っていて、歴史上に実在した
歌川芳藤という”おもちゃ絵師”は
作中のようなウジウジした性格で、
弟子にも実子にも恵まれず孤独な晩年
だったのかどうかは、わかりません。
ま、今のご時世ネットで調べりゃ
ある程度わかるんでしょうけど、
そんなことが野暮に思えるくらい、
この作品の芳藤に感情移入してしまい
久しぶりに大切な一冊になりました。


それにしても、大切な事を気付かせる
為に現れる黒猫って、以前この
オススメのカテゴリーで紹介した
「さすらい猫ノアの伝説」にちょっと
似てますね。こういうミステリアスな
役は黒猫にピッタリですな。
ひょっとしてノアの先祖だったりして。

…しかし我が家にもこんなステキな
黒猫ちゃんがやって来てくれたと
いうのに、ワシの体たらくときたら
全く申し訳ないねえ

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ニャアコ
「あら、まだ先のことはわからないわよ
 この、わけのわからないブログだって
 数百年後には何かの間違いで歴史に
 残ってるかもしれないじゃない」

イロドリ
「ガハハハそれはないわ~
 …いや、待てよ、何でもかんでもダメ
 とか無理って決めつけず、信じて
 努力してゆくことが大切なんだよな。
 よし!ワシも頑張るで~!」

「まあ、たぶん無いとは思うけど」

「フハッどっちやねん」








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ネタばれ注意「マカン・マラン」 [オススメ]

8月もいよいよお盆が過ぎ、子供達の夏休み
も終盤に差し掛かってきましたね。
と、いうことで今年は久々に夏の読書感想文
記事を…

古内一絵さん「マカン・マラン」シリーズ

マカン・マランとはインドネシアの言葉で
それぞれ「食事」と「夜」の意味だそうで
ドラァグクイーンのシャールさんの、夜に
のみ開いているお店の名前です。

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ドラァグクイーン・・・
あまり縁のない人が聞くと、薬剤師か薬局に
勤めてる女性かと思ってしまいがちですが、
派手な衣装を纏った厚化粧の「男性」の
事を指すそうです。
美輪明宏さんみたいな感じかな?

この物語はかつてバリバリの超エリート
(さらに俳優張りの超イケメン)だった男性
が、難病に罹ったことを期に全てを捨て、
かねてから自身の中に存在する事に気づいて
いた「本当の気持ち」に従って
ドラァグクイーン「シャール」として残り
の人生を生きる事を決意し、昼は手作りの
ドレスの店、夜は(たまに)夜食カフェを
営んでるというお話。

単行本は全4冊、写真は何故か最終巻の
4冊目です(笑)
1冊の中に1話完結の話が4話ほど収録
されてて、どこからでも読めるようになって
ます。

主人公のシャールさんは厚化粧・女装ですが
同性愛者というわけではなく、作中にそう
いった生々しい描写は一切出てきません。
各話にそれぞれ悩める登場人物が出てきます

自分の子育てに自信が持てなくなった主婦
仮面夫婦に限界を感じているセレブ妻たち
自分の夢と実家の跡継ぎに揺れる青年
他人を批判し続ける女性ブロガー
エトセトラエトセトラ・・・

そういった人生の壁にぶち当たった人達が
引き寄せられるように、この夜食カフェ
「マカン・マラン」へと辿り着き、
シャールさんと接する中で大切な事に
気付かされるという、よくあるパターンの
流れですね(笑)

一度登場したキャラが、シャールさんの
料理と人柄の虜になって、店の常連として
レギュラー化してゆくのですが、面白いのは
そのキャラがメインの章の時に脇役だったり
引き立て役だった人物が後の話で再登場し、
実は彼や彼女達も様々な悩みや行き詰まりを
感じていて、まるで導かれるように
「マカン・マラン」にやって来るという話が
何回かあったり、再登場したかつての脇役?
を通してその時メインだった人物の近況が
語られたりと、凝った作りになってます。

・・・ん?

何かどっかで見たような話しだなあ

そう、これですよ、これ
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オススメのカテゴリで何度か紹介してる
村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂」に
ちょっと似てますね。

「マカン・マラン」
いつも開いてるわけでなく、縁がある人が
引き寄せられるように辿りつく。
オーナーはドラァグクイーン。
素顔は超イケメン。
従業員はオネエ軍団。

「たそがれ堂」
誰でも行けるわけでなく、心に強く思いを
持った人が辿りつくことが出来る。
オーナーは神様。
人間の姿は超イケメン。
従業員はツンデレの猫又の美少女。

それぞれ一話完結の物語で、その回の
登場人物がシャールさんや、たそがれ堂を
通して本当に大切なものに気付く・・・
そして最大の共通点は両作とも主人公に
恋愛要素ゼロ!
これは何気に重要なポイントです(笑)
何でもかんでも最後はラブストーリーに
なって、安っぽいハッピーエンドなんて
反吐が出るわ(ヲイw)

最近、オリジナルのドラマを書ける脚本家
が少なくなったのか、ほとんどマンガか
小説が原作の物語ばっかりで正直ウンザリ
ですが、ひょっとしたら今回紹介した
「マカン・マラン」もそのうちドラマに
なるかもしれませんね。

確かに、食べ物屋が舞台で、毎回訳ありな
登場人物が主人公の店にやって来る…って
人情話はよくあるパターンかもしれません
、が、進行性の難病を期に恵まれた才能、
容姿、キャリアを全て捨てて、ドラァグ
クイーンとして生きてゆくことを決めた
シャールさんの姿と言葉は何故か素直に
心に沁みるものがあります。
ちょっと疲れた時とか背中を押して欲しい
時のために、手元に置いておきたい大切な
一冊(四巻ありますがw)になりました。



・・・暑さと疲れで文章に集中力が
なくなってあんまり「読んでみたい!」
って思えん紹介になっちまったなコリャ


ニャアコ
「いつものことじゃないの」











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希望を感じる一枚の絵 [オススメ]

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青空をバックに、荒野に佇む1体のロボット…

え?何?ひょっとしてアンタ、まさか何の変哲
もないこの絵に希望を感じるんかい?

まあ、確かにタイトル見てからこのイラスト
見たら「は?」ってなりますわな。

ちなみにこのイラストの緑色のロボットは、
今から約30年以上も前のアニメ
「戦闘メカ ザブングル」で主役が乗っていた
「ウォーカーギャリア」といいます。
そしてこのイラストを描かれたのは

高荷義之 先生

・・・

ここでまた、ほとんどの人は

「誰やねん、それ?」

と、思われるでしょうが、現在30~50代の
男性で、子供の頃にプラモデルを作ってた
経験があれば、きっと一度はそのプラモの箱
に描かれた迫力のあるイラストに少年心を
躍らせた思い出があるはずです。

puffer (12).jpeg

ネットより拝借 ↑

もともとは実在の戦車やら戦闘機なんかを
描かれていたのが、子供向けのテレビ雑誌の
企画でこの「ザブングル(漫才師じゃないよ)」
というアニメの世界観をリアルに描いた
イラストを連載し(こんな感じ ↓)

_20190402_165607.JPG

それらを一冊にまとめた
画集がこれです ↓

_20190402_165349.JPG

_20190402_165433.JPG

ザブングルだけじゃなく、その次に放映された
聖戦士ダンバインやガンダムなんかもあります

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16歳の時に描いた絵 ↑・・・天才やろ

昭和58年(!)に発行されたこの画集、同業者の
方々のメッセージや対談の顔ぶれが
富野由悠希、大友克洋、出渕裕、小松崎茂、
という錚々たる面々!40年近くも前から、
どれだけ沢山の人に慕われ影響を与えていたか
というのがよくわかる貴重な資料でもあります。

この画集が本屋に並んでた当時、ザブングルの
アニメが好きだったこともあり、この高荷先生
が、リアルにアレンジしたイラスト群に心を
奪われ、毎日のように立ち読みに行ってました
。定価1,000円は、決して買えない金額では
無かったですが、ま、そのうち買おうと延ばし
延ばししているうちに本屋からなくなっていた
のでした。

・・・で、冒頭のイラストに何故、希望を
感じるのか?

それが自分でもよくわからないんですよ(笑)

皆さんも、絵でも、写真でも、誰もが名作と
認めるような作品じゃなくて、他人様から
見れば「ん?何で?」って思われるような、
一枚に、心を奪われる経験ってないですかね?

子供の頃に買いそびれたこの高荷先生の画集、
古本屋とかで、ずっと探してたのですが、全然
見つからなくて、数年前にヤフオクで落札し、
30数年ぶりに目出度く手に入れる事が出来
ました。
いかにもオークションらしく、数冊出品されて
たんですが、同じ本なのに値段もピンキリで、
いろいろ迷ったあげく、せっかくだから
高荷先生のサインが入ってあるのを落札しま
した。・・・ただしサインが本物だという証拠
はないんですけど(笑)

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本物やったらいいけどなぁ…wしかし男前!












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クリスマスに読んでほしい、この一冊 [オススメ]

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時間の関係上、前置き無しでいきなり紹介しますが、
いつもこのブログを見に来て下さる愛すべき皆様に
ぜひとも明日のクリスマスに読んでいただきたい
「コンビニたそがれ堂・祝福の庭」

たそがれ堂シリーズ通算6冊目の今回は収録されてる
3篇すべてクリスマスがテーマになってるんですが、
やはりというか、なんというか、クリスマスなのに
恋愛要素ゼロ!
大事なことなんで、もう一回言いますよ
クリスマスがテーマなのに恋愛要素ゼロ!

さすがは「たそがれ堂」!
いいですね~期待を裏切りませんね~

大切なものを探し続けてる人だけが辿りつける
この「コンビニたそがれ堂」
今回は特に、何の得にならなくても誰かの幸せを願い
ながら日々を生きる無償の愛に奇跡が訪れる・・・
そんな奇跡の3篇になってます。

間違っても、クリスマスが何の日かも知らずに
うわべの幸せに浮かれてるバカップルは (おい!)
たそがれ堂には縁がないでしょう。
もちろんこんな性根の腐った私も、一生出会う事は
ないでしょうけど(笑)

それでも、たとえ自分が辛い時でも、いつも誰かの
幸せを願っていたい、そんな皆さんにぜひ読んで
いただきたい一冊です。






ガラスの四十代 [オススメ]

前日、長女を神戸の実家に預けに行く道すがら、
いつも気になってた「妖精の森ガラス美術館」を
ちょっと覗いてみようかということで、駐車場に
車を停め、娘と2人で近づいてみると開館時間は 
午前9時30分から。で、この時まだ9時前・・・
見た感じもう開いてるっぽかったので、ダメもとで
ドアをガチャガチャやってみたけど、やっぱりまだ
閉まっていました。
特に目的があってきたわけでもないので30分以上も
待ってるわけにもいかず、さらに入場出来ても
ゆっくり見学してる暇もないので、また時間の
余裕のある時にゆっくり来ようという事で娘と車に
戻ろうとすると、女性の職員さんがドアを開けて
「入ってもらっていいですよー」と声をかけて
下さった。ええ人や~。

受付から先の展示室は入場料が必要だが、入り口の
ロビー兼アートショップまでは無料で、展示されて
いる作品を見たり買ったりすることが出来ます。
何の予備知識もなく、しかも開館時間前に入れて
頂いたイロドリ親子に対しても、館長さんは嫌な
顔をせず、展示されてるガラスについて説明して
下さいました。

この美術館の工房で命を吹き込まれるガラス細工は
ウランを含んだ「ウランガラス」で作られていて、
紫外線が当たると綺麗な緑色に発色するのだそう
です。
せっかく中に入れて頂いて、説明までして下さった
のでカネを払ってでも展示室も見たかったけど、
ホントに時間がなかったので、記念にガラス細工の
猫ちゃんを購入して美術館を後にしました。

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思いっきり太陽の光を浴びております

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イロドリ自身が「ガラスのハート」の、脆い・・・
じゃなくて繊細な中年オヤジなので、ついつい
壊れそうなものばかり集めてしまいますが(笑)
数万円の立派な作品から千円ちょっとの可愛い
動物、ストラップのような小物まであるので
ガラス細工が好きな方にはたまらないと思います。
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入場料+別料金+予約で、こちらの工房でいろんな
職人体験も出来るようなので、関心のある方は 
ホームページを是非チェックして下さいませ。 

                              
実はこの近くには「貧者のディズニーランド再び」の
番外編で紹介した、福山雅治アニキが、新しく発見
された星の名づけ親として自らの写真の師である
植田正治さんの名を星に命名したというエピソードの
舞台になった「さじアストロパーク」もあるんです。
で、このアストロパークという天文台は鳥取県内
なので、すぐ近くのガラス美術館も鳥取県なのかな
と思ってたらこっちは岡山県になるんですね~

なので「星好きで更にガラス好きの人」にとっては
1日で2度楽しめること間違いなし!ぜひお越し下さい
ませ!・・・って、そんな人はこんな記事見なくても
とっくにご存知でしょうけどね(笑)

ネタばれ注意「さすらい猫ノアの伝説」 [オススメ]

「勇気っていうのは、なにかを取り戻すことなんだ。
 間違ってることには従わず、困ってる人を助けて
 あげること・・・考えてみればあたりまえじゃないか。
 でも、実際にはなかなかできないだろ?
 できないことが、自分でも悔しいだろ?
 大切なものをいつの間にか、なくしてるからなんだ。
 それを取り戻して、自分が『こうなりたい』と思う
 自分になろうとする気持ちが、勇気の第一歩なんだよ」

            第8章 勇気りんりん より



え~毎日暑い日が続いておりますが、今回は・・・
夏休み真っ只中ということもあり宿題の読書感想文の
ノリで児童向け小説「さすらい猫 ノアの伝説」を
ご紹介したいと思います。

例によって大した内容は書いてないのに、ラストの
オチだけは堂々とバラしてるという、まるで浜村淳の
映画解説のような悪質な記事となってますので、
結末を知りたくない方はどうぞ、ここでシャットダウン
お願いしまーす(笑)


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<おめでとうございます!あなたのクラスは
 ノアに選ばれました!>

隣の市の小学校の子の、そんな挨拶で始まる手紙の入った
風呂敷を首に巻いた黒猫が、授業中のとある小学校の
5年1組の健太の席に、窓から飛び込んでくるところから
物語は始まります。

その手紙に書かれている内容によると、この黒猫ノアは
”クラスの皆が忘れてしまってる大切なこと”を
思い出させるために、いろんな学校を渡り歩いている
らしく、その大切なことに皆が気付いた時、ノアは
また次の学校へと旅立ってゆくのだそうです。


健太のもとにノアがやって来た時、5年生になってまだ
2カ月しか経っていないということもあって、一体何が
忘れてしまってる大切なことなのか、ピンとこなかった
のですが、怪我で入院中の担任のピンチヒッターで
やって来た、新米のユッコ先生のあまりのダメダメな
ドジッ娘ぶりが、この5年1組の雰囲気を悪化させ(笑)
健太と、親友の亮平、そして健太が淡い恋心を
芽生えさせることになるリリー(本名は凛々) の3人が
中心になってユッコ先生に自信を持ってもらおうと
奔走する中で、自分たちにとって必要で大切なものに
気付いてゆく・・・そんな王道のストーリーです。


もともと子供向けの物語なので、読んでて童心に戻れる
というか、懐かしい気持ちで心が洗われるような気が
しました。
ユッコ先生をクビにしようとしてた女子のリーダーの
子が、最後は、担任が戻ってくることで学校を離れる
ユッコ先生のお別れ会を提案したり、自分の上手さを
ハナにかけて亮平を見下してイジメてるようにしか
見えなかったサッカークラブの男子が、ストイックな
努力家であり、口は悪いけど亮平のこともちゃんと
心配してて、ラストの試合のシーンで、やっと
レギュラーを勝ち取って試合に出ることが出来た亮平に、
何度も何度もパスを出し続け、最後の最後のゴールを
アシストしてやる場面など、ヤな奴をそのままで
終わらせない配慮も読んでて嬉しかったですね。
この辺の物語の回収具合はうまいなあと思いました。

それぞれが誰かを思いやり、一歩踏み出す勇気を
取り戻し、健太たちの5年1組のクラスが1つになって
皆が少し大人に近づいた時、ノアとの別れが待って
います。

決して懐くわけでもなく、いかにも気まぐれな猫
そのもので、それでも健太たちが行き詰った時には
神出鬼没に現れて重要なヒントを与えてくれて、
忘れられない思い出を作ってくれた、さすらい猫。
亮平が泣き泣き書いた”次のどこかのクラス”への
紹介状を風呂敷に包み、首に巻いたノアを、健太、
亮平、リリー、ユッコ先生が涙を堪えながら見送る
場面が、まるで自分も一緒にこのクラスに居たかの
ような気持になりました。
作者の重松清さんの他の作品は読んだことがないの
ですが、これはホントにいい作品でした。
そしてやはり「黒猫」というのはミステリアスな
設定が良く似合いますね。

なんか無駄に長くなってしまいましたが、最後に
もうちょっとだけ・・・
この物語、エピローグが2つあるんですけど、
都会から引っ越してきた6年生の女の子の所にノアが
現れて、次はこの子の新しいクラスが舞台になるのを
暗示させて終わるという2つめのエピローグは、何と、
そのまま続編のプロローグになってるという(笑)
図書館に置いてなかったのでまだ見てませんが、
機会があれば続編も読んでみたいです。

で、1つめのエピローグはノアが去った後の後日談。
一度は諦めかけていたサッカークラブのレギュラーの
座を努力で勝ち取った亮平が、試合の最後の最後に
ゴールを決めた瞬間、リリーやユッコ先生と一緒に
応援していた健太が、今はもういない、そして二度と
会うこともないであろうノアが、今もきっとどこかで
自分たちを見守ってくれてることを実感するという
泣かせるラストでした。

子供の頃に戻ることは出来ないけど、純粋な気持ちを
思い出したい時に読んでほしい、オススメの1冊です。

例によって感想が書きたいのか粗筋が書きたいのか
さっぱりわからないグダグダな紹介になってしまい
サーセン。

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我が家の「元・さすらい猫」ニャアコ

まさか40過ぎた心身共に穢れきったオッサンのもとに
ノアがやって来るとは・・・
まさに「事実は小説より奇なり」(笑)


え!? あの人がこんな曲をカバー? [オススメ]

かなり前の話で恐縮ですが、原田知世さんがビートルズの
「夢の人」をカバーで歌ってるPVを見ました。 

プレスリーやらノラ・ジョーンズなどの曲を歌った
全10曲のカバーアルバム「恋愛小説」の中の1つなの
ですが「夢の人」は私も大好きな曲なので、あんなノリを
どうやって原田の知ちゃんが歌うのだろうかと興味津々で
PVを見たら、すごいスローなナンバーになってた(笑)

あの印象的な
テーーテーーテテテテテテテテ・・・♪ (なんやねんこれ)
というイントロも、アップテンポな曲調も、大胆に
アレンジされてるんですけど、歌ってる知ちゃんの
映像のステキさと相まって、なんかいい感じでした。

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日本人アーティストによるビートルズのカバーと
いえば、RCサクセションの「HELP!」 
(歌い出しが ”HELP!あ、兄さん婆さん♪” ) とか
ロウソク炎を揺らさずに歌う民謡歌手・金沢明子さんの
「イエロー・サブマリン音頭」のインパクトが大きい
ですが、これからも色んな方の色んなカバーを
聴いてみたいものです。

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ブレンディのコマーシャルでもそのまま通用しますw
しかし原田知世さんは年とらないですね~
私が中学校の頃からずっと「時をかける少女」です
(意味不明)

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