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夢の「ニャンコ」づくし! [ヒグチユウコ]

いや~親愛なる皆様!
遂に行って来ましたよ~(^^♪
え?どこに行ったんだって?
もちろん、ここですよ、ここ!

ジャ~~~~~~~~~~~~ン
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なんでこんなにクシャクシャやねん

ヒグチユウコ展「CIRCUS」神戸会場!

今年の1月に東京で初めて開催され、
「くそっ!行きてえな~でも無理やな…」と
諦めてたら、何と次は地元・神戸で開催!
との朗報が!
この発表があった頃は、まだ父も入院中とは
いえ意識ははっきりしてて、見舞いに帰省
したついでに行くか、などと考えていたの
ですが、5月半ばに病状が急変し他界。
既に四十九日を終えての何度目かの帰省と
相成りました。

このヒグチユウコ展、神戸で開催されて早や
2ヶ月経ちましたが、やはりというか
まだまだ平日の真昼間でも結構な賑わい
でした。

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写真撮影可能なギリギリのライン
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これから数十分間、あなたの目は、あなたの
体を離れ、この不思議な世界へと入ってゆく
のです…という、ウルトラQのナレーション
が聞こえてきそうな魅惑の空間(笑)
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で、会場の中はというと
日本の九谷焼から世界のGUCCIまで、今や
地球上のありとあらゆる万物とコラボして
おられるヒグチユウコさんの、ナマ原画が
(モチロン、額に飾られて)それはもう、
所狭しと光、輝いているのでありました。

今回、テーマは「サーカス」だそうですが、
描いている対象が多岐に渡りすぎていて、
サーカスという言葉では収まり切れない
ヒグチワールド炸裂の、至福の桃源郷って
感じです。
珍しいところではウルトラセブンの
ガッツ星人なんかも居ましたヨ。

会場に来てるお客さんの9割9分は女性で
いかにも!って感じの若い方から上品な
ご婦人まで食い入るように1枚1枚に
見入っておられました。
男性も数人、見受けられましたが、明らかに
奥さんや彼女の付き添いで来てる雰囲気で
小汚いハゲチャビンのイロドリは、かなり
浮いてたと思います。

さて、そんなヒグチワールドの数百枚にも
及ぶ珠玉の作品群の中でも、イロドリの
ナンバーワンは、やっぱりこの1枚

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ナマの原画に出会えて、それだけでも来た
かいがありました
(この写真は絵はがきのものですよw)

そしてこの作品展のもう一つのお楽しみ
お土産のグッズ販売コーナー♪
…と言いたいとこなんですが、悲しいかな
こういった催し物に常日頃無縁なイロドリ
は、往復の電車賃と入場料を全く計算に
入れておらず、大幅に予算がダウンして
しまったのであります。
さらに2月の東京会場に見に行った際に
会場限定の画集を含めて、質も量も破格の
土産を買って送ってくれた、友人へのお礼
を選ぶと、あとはもうキーホルダー系の
小物を数点…って感じなんですが、これが
結構いいお値段なんですよ(笑)
でも一番欲しかった画集は前回お土産で
いただいたので今回は無理せずこんなトコ
で ↓

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ホントはガチャガチャも、して帰りた
かったんですが、1回500円の割には
クウォリティがちょっとアレなので今回
はパス。
箱に入ってて明けるまで中身がわからない
アクリルキーホルダーは
「ニャンコを抱き上げるいじわるなねこ」
同じく袋を開けるまで中がわからない
キャンディのおまけのピンバッジも見事
一発でニャンコ!
と、会場でもお土産でも大好きなニャンコ
まみれのシアワセな一日となりました。

皆様も少しでも興味ががありましたら
ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか

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出口です

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ニャアコ
「およそ五十近いオッサンが書いてる
 とは思えないテンションね・・・」






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嬉しいお土産 [ヒグチユウコ]

2年以上前に机の上からPCを落としてしまい、
ヒンジの部分が割れてしまっていたのを、
瞬間接着剤で補強し、騙し騙し使っていたの
だが、遂に限界が来て開閉が出来なくなって
しまい、泣く泣く有料で修理に出した。

結構な金額だった・・・

でも、キーボードまで新品同様の綺麗さに
なって戻ってきたのでちょっと嬉しい。


全然関係ない話ですが、現在ヒグチユウコさん
の作品展「CIRCUS」が東京・世田谷で開催
されてます。

かつて姫路に住んでる時、僅か3ヶ月とはいえ
期間中ほぼ毎日サーカスでバイトしていた
ワタクシとしては、大好きなヒグチユウコさん
がサーカスの世界を描くというのは、まさに
一大事なんですが、いかんせん東京なんて
とてもじゃないけど行けやしません。


そこで!


なんと埼玉にいる友人が、この作品展に行った
際に、わざわざイロドリの為にお土産を買って
きてくれましたのでありました~! (≧▽≦)

ジャ~ン ♪
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この「ヒグチユウコCIRCUS展」何が凄いって
ヒグチさんの世界観が思う存分に発揮されてる
という内容はもちろんのこと、それ以上に
グッズ売り場が尋常じゃない争奪戦になってる
ということです。

2月下旬の今現在は落ち着いたかも知れません
が、初日なんかネットの情報では物販だけで
3時間待ちの長蛇の列だったそうです。
…わかる、わかるぞ…その気持ち!

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これ↑は、この作品展の目玉の一つ、会場限定
販売の画集。一般に出てるものとは、装飾と
中身の一部が変更されてるとのこと。
もったいなくてまだ袋から出せない(笑)

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友人・・・といっても、私よりも年齢が上の、
美しい女性が「ガチャガチャ」でゲットして
くれたwヒグチキャラのフィギュア
ただし、真ん中の子は関係ありません
(まぎらわしいな~オッサンよ)
ちなみに向かって左は「ギュスターヴくん」、
右は「ひとつめちゃん」という名前です
全部で7種類あるんですが、イロドリの一番
好きな「ニャンコ」は残念ながら当たらず。
それでも行けなかった私の為にわざわざ
ガチャガチャしてまで持って帰ってきてくれた
大切な宝物であります。

このヒグチユウコさんのCIRCUS展、東京は
3月31日までですが、以降、兵庫、広島、
静岡、高知なども順次巡回されるそうです。

ぜひ、ネットなどで詳細をご確認のうえ
ヒグチワールドを堪能してきてね ♬

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ああ、この場面は...(ヒグチユウコ・いらないねこ) [ヒグチユウコ]

「逃げ出してきて だいぶんたつから
 あんた、ずいぶんおおきくなったわね。
 あたしの昔着てた服をあげるから
 好きなのをえらびなさい」

子ねこはうれしそうに 店主の色とりどりの
クローゼットを見ました。
ゴソゴソと いろんな服をみたあと

「これがいい!」と いいました。

ガラガラ!と 戸をあけて ニャンコが
本屋にやってきました。

すると いつもとちがう 黒いワンピースを
着た子ねこがいました。
おねえさんのような子ねこを見たニャンコは
目から涙をこぼしました。

「おとうさん、なんで泣くの?」

ニャンコは 涙がとまりません。


「いらないねこ」第14回より



今回は大好きなヒグチユウコさんの絵本、
「いらないねこ」の紹介です。

前作「せかいいちのねこ」は、愛してやまない
持ち主 (?) の男の子が成長しても飽きられること
なくずっと一緒にいたいと願う、ぬいぐるみの
ニャンコが「猫のヒゲを集めると本物の猫になれる」
という話を聞いて、さまざまな個性的な猫たち
からヒゲをわけてもらうけれども本物の猫には
なることが出来ず、でも、ぬいぐるみの姿でも
男の子はこれからもずっとニャンコのことを
大切に思うし、一緒にいられる。と同居人の
本当はいじわるじゃない「いじわるなねこ」に
諭され、今のままの自分自身を受け入れるという
成長譚でした。

正式な続編にあたる今作では、なんとニャンコが
捨てられていた子ねこを連れて帰って育てるお話
です。

・・・まあ、それだけの話なんですが、もうね、
ただひたすら可愛いんですよ。猫たちがね。

なんでこんな絵が描けるんや?と不思議なくらい
表情が豊かで、仕草がいじらしいんですよね~。

特にロンパースを着てる子ねこの姿とか、それを
見つめるデレデレのニャンコパパの表情なんて
それ見てるだけで幸せな気持ちになってしまいます。

連載が進むにつれて、子ねこも少しずつ大きく
なってゆき、さすがに一緒に暮らすわけには
いかなくなって、「愛娘」は新しい家族のもとへと
行ってしまうのですが、「ある出来事」があって
最終回の2つ前の第13回で再びニャンコたちの元へ
逃げて戻って来てしまいます。

この記事の冒頭の文章は、次の第14回のものなん
ですが、その時のこの場面 ↓

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これを見た時、思わず私もニャンコと一緒に涙が
出そうになりました。

なぜなら・・・

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この「ふたりのねこ」のイラストと同じだった
からです。

何が言いたいのか、わかんねーよ!このハゲー!
と思われるかも知れませんが、説明するとですね、
この2枚めの ニャンコを抱き上げているのは
前作「せかいいちのねこ」の更に前作にあたる
「ふたりのねこ」に出てた「ねこ」だと思うの
ですが、この前々作「ふたりのねこ」は出版社が
違うということもあってか、ど~うもパラレル
ワールドっぽい扱いで、物語のラストで離れ離れに
なった後、「ねこ」は二度と出てきません。

で、今回、成長した「愛娘」があの「ねこ」と
同じ服を着てるのを見て、てっきりニャンコは
彼女のことを思い出し、その姿がダブって泣いたの
かと思ったんですが・・・

どうもあんまり関係なかったみたいです(笑)
ただただ娘の成長した姿に感動したようです。

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でも、勝手にそんな深読みしてしまうくらい私に
とってはニャンコシリーズ最初の「ふたりのねこ」
も思い入れの強い大切な作品なのですよ。
綺麗に完結してるので、変に続編とか再登場は
なくていいですけどね。

ということで、今回は珍しくネタばれなしで(笑)

果たして新しい家族の元から逃げて帰って来た
ニャンコの愛娘はどうなるのか、9月1日に発売の
「いらないねこ」をどうぞお楽しみに。

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チー
「文章ヘタ過ぎて何書いてんのかわかんないヨ」









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幸せな結末(ふたりのねこ) [ヒグチユウコ]

最近、震災関係の記事が続き、書く方も読む方も
ちょっとしんどいかなと思い、
(読む方の人は、ほとんどいませんがw)
今回は再びヒグチユウコさんのイラストを。
※フィルターで加工してます。

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これは以前紹介した絵本「ふたりのねこ」の
「ねこ」と「ニャンコ」ですね。

絵本の本編ではこのようなシーンはなく、おそらく
描き下しではないかと思われます。
ちなみに絵葉書になっており、ヤフオクで見かけて
どうしても欲しかったので、結構いい値段で落札し
入手いたしました。

特に説明などは添えられてないので、自由な解釈が
出来るんでしょうけど、私はこれは絶対に、あの
切ないラストで終わった本編の数年後、ニャンコは
「ぼっちゃん」やその家族と、ねこは顔見知りの
犬や、その優しそうな飼い主との「新しい家族」と
それぞれ幸せに暮らす中で、何かの拍子にどこかで
再会した「ふたりのねこ」 の姿だと信じてます。

数百枚、数千枚あるかもしれない、そしてこれからも
数百枚、数千枚と描かれてゆくであろうヒグチユウコ
さんのイラストの中で、今までもこれからも
私がずっと一番大好きな絵です。



ネタばれ注意「ヒグチユウコ・ニャンコシリーズ」(後編)   [ヒグチユウコ]

「おれたちねこは 人間より寿命が短いから
 たいてい先にいなくなるんだ。
 でも おまえはずっといっしよにいられるじゃないか」

そう話すいじわるねこの目は とても複雑そうでした。
ニャンコは むしょうにかなしくなりました。

ニャンコは からだからヒゲを ぬきとりました。

ぜんぶとりおわると いじわるねこがそっとニャンコを
ひざにのせて だきしめてくれました。

「ほら もとのほうが ずっとかわいい」


「せかいいちのねこ」
みんなせかいいちのねこ  より



それでは前回に続いて、ヒグチユウコさんが描く
ぬいぐるみのニャンコが主人公のお話。
後編は「せかいいちのねこ」の紹介です。

前編で紹介した「ふたりのねこ」同様、今回も
ニャンコが主人公なので勝手にニャンコシリーズと
名付けておりますが、実は正式な続きの物語では
ないような感じなんですよねー。

まず、決定的なのは出版社が違う。
この「せかいいちのねこ」は白泉社の「月刊MOE」
に連載されてたものを1冊の絵本にまとめたもので、
「ふたりのねこ」は祥伝社からの書き下しっぽい
です(ちゃんと調べて記事書けやw)

そういった関係が影響してるのか、同じニャンコが
主人公でも微妙~~~~~に雰囲気が違ってます。
そう、敢えて例えるならば
「8時だよ全員集合」と「ドリフの大爆笑」みたいな
もんでしょうか(違うな・・・)

「ふたりのねこ」ではニャンコの家族は、大好きな
「ぼっちゃん」とその両親の4人暮らしだったのに
「せかいいちのねこ」ではやたらと不思議な同居人が
増えてます(笑)
さらに「ぼっちゃん」から「男の子」へと、呼び方も
変わりました。
これはもう、別物のパラレルワールドと割り切って
読むか、前作で「ねこ」と別れた数年後ととるか
読者の好みの問題でしょうかね。

で、今回の物語は・・・
ニャンコが愛してやまない「男の子」が7さいに
なったのを機に、ぬいぐるみに興味がなくなって、
自分はもう飽きられてしまうのでは・・・
とニャンコは不安になります。

「本物の猫になればずっと一緒に居れるんじゃないか」
「猫のヒゲには魔力があるから体に入れればいい」
という友達のアドバイスのもと、少しでも沢山の
本物の猫のヒゲを手に入れるべく友達のアノマロと共に
出かけるのですが、この道中で沢山の、表情も仕草も
個性的な猫たちに出会い、アノマロと途中ではぐれたり
同居人の「いじわるなねこ」を通じて、たとえ7才に
なっても男の子は自分のことを、かけがえのない存在
だと思ってる事を知らされたりしながら話は進みます。

やがて出会った猫たちからもらった大切なヒゲを、
ぬいぐるみである自分の体に1本ずつ差し込んで
ニャンコはついに念願の本物の猫に・・・
とは、ならないんですね~(笑)

それでも猫たちがくれた大切なヒゲで、自分も本物の猫
になりたいと願うニャンコに、改めて今のままでも
十分に男の子に愛されてることを諭す、実はいじわる
じゃない「いじわるなねこ」の言葉に、実際に猫と
暮らしてる、あるいは暮らしていた人たちは、きっと
涙腺が崩壊します。

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お話の内容的にはSMAPの「世界にひとつだけの花」
とマッキー自らが歌った「僕が1番欲しかったもの」
を足して2で割ったような(違うなw)よくある
ものだと思うんですが、やはりここはヒグチユウコ
さんが描く、個性豊かな猫たちの姿が物語に深みを
与えてますねえ。
しかも今回は猫も沢山出てくるけれど、それ以外の
生き物もいっぱい出てきて、まさに現代の鳥獣戯画
って感じでした。

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モデルになってる実在の猫ちゃんたち ↑

ホントはまだまだ語りたい内容がいっぱいあるんです
が、現段階まで読み直してみて、改めて自分で書いた
記事の内容の薄さに愕然としてしまい、これ以上
書くのはマズいなと判断したので、この辺でやめとき
ます。

ちなみに現在「月刊MOE」では「せかいいちのねこ」
の正統 (?) な続編「いらないねこ」が連載中です。
少し成長したニャンコが捨て猫を引き取り、お父さん
になる話です(笑)
ニャンコと猫たちの表情の1コマ1コマ、動作の1コマ
1コマが、本当に愛おしくなる珠玉のシリーズです。











ネタばれ注意「ヒグチユウコ・ニャンコシリーズ」(前編) [ヒグチユウコ]

「おいかけなくて いいのかい?」 
えだにとまった カラスが
こえをかけてきました。
「いいんだ。
 ねこには おうちができたんだよ」


「ふたりのねこ」より


9月も半ばになり、季節は完全に秋へと移り変わりました
が、今年は台風ばかりでなかなか秋の爽やかさをまだ
実感出来てません。きっとこれから色んな意味での収穫の
時を迎え、1年の締めくくりへと近づいてゆくんでしょう
ね。

今回ご紹介するのは、ヒグチユウコさんの絵本、
「ふたりのねこ」と「せかいいいちのねこ」
名付けてニャンコシリーズです。

まあ、こんな毎回数人の奇特な方しか読んでないような
ブログでわざわざ紹介しなくても、今やヒグチユウコ
さんと言えば、本好き人間・猫好き人間のみならず
知らない人なんていないくらいの作家さんなんですけど
ね(笑)

「え?聞いたことないで」という方もこういう感じの
イラストは、きっとどこかで目にしてるはずですヨ ↓

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なんか、一度見たら忘れられない雰囲気ですよね。
この猫の表情、単なるリアルでもなく、かといって
マンガっぽくもなく、ヒグチユウコという作家しか
描けない独特の世界だなあと感動します。

何が凄いって、猫だけじゃなく犬も、鳥も、植物も
女の子も何を描いても独特の世界観で、何だか現代の
「鳥獣戯画」みたいな印象です。

で、ここからはヒグチさんが描いた猫の絵本
「ふたりのねこ」と「せかいいいちのねこ」の
ネタばれありの紹介です。
例によって大したことも書いてないのに結末だけは
ドサクサに紛れてバラしてしまってるという、非常に
悪質な記事になってますので、まだ実際に御覧に
なってない方は、遠慮なくここで引き返して下さい
ませ。

今ならまだ間に合うぞー (^◇^)

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この2作、主人公は ぬいぐるみの「ニャンコ」
なので勝手にニャンコシリーズと名付けてます。

「ふたりのねこ」は、ニャンコが家で一緒に暮らしてる
大好きな「ぼっちゃん」が、うっかり忘れて帰ったのか
それとも落としてしまったのか、一人ぼっちで公園に
残されたニャンコと、この公園に住む「ねこ」との
出会いと別れが描かれています。

何とかして大好きな ぼっちゃんの待つ家へ帰りたい
けど、帰り道の見当もつかず途方に暮れるニャンコを
かつて、小さい頃に兄弟と共に飼い主に捨てられ
この公園で酷い目に遭いながら生き抜いてきた孤独な
「ねこ」が慰め、励ましながら一緒に帰り道への
手がかりを探してくれます。


「にんげんは、ほんとうは ひどい 生きもの
 なの」

「ねえ、もしぼっちゃんが、あんたのことを
 さがしてなかったら どうするの?」

自分がどれだけ人間の子供に愛されているかを語り、
帰り道を探し続けるニャンコに、かつて人間に捨て
られ、酷い目に遭ってきた「ねこ」が問いかけます。
しかしニャンコは、ぼっちゃんがくれた宝物の
アンモナイトの化石を見せて、人間がみんな酷い
わけじゃない、ぼっちゃんもきっと自分を探して
くれてる、と「ねこ」に応えます。

それでもなかなか手がかりが見つからず、不安で
涙を流すニャンコを優しく抱きしめる「ねこ」
この時、ニャンコは家に帰れたら「ねこ」も一緒に
来てくれないだろうかと思い、「ねこ」もこのまま
ニャンコと一緒に暮らせないだろうかと願うのでした。

お互いを「家族」として意識し始めた時、突然
別れがやってきます。

病気になってしまった「ねこ」を助けるために
顔見知りの犬に、宝物のアンモナイトの化石を惜しみ
なく差出し、犬が呼んで来た「優しそうな飼い主」に
「ねこ」の命を託して涙ながらに見送るニャンコ。

果たしてこの後どうなるのか・・・

は、描かれてません。

ニャンコは無事に家に戻ることが出来ましたが、
「ねこ」のその後は読者の想像に委ねられ、物語は
あの短い夏の日々、ふたりは確かに家族だった
という、おそらく少し大人になったニャンコの切ない
語りで幕を閉じます。


私は基本的にはわざとらしいハッピーエンドで終わる
物語は好きじゃなくて、こういった余韻を残して
その後を想像させる話ばっかり好んで読んでるんです
が、これを最初読んだ時はさすがに「え~~!?」って
なりましたね。
ちゃんと「ねこ」が幸せになったとこまで描き切って
くれや~、と。

何でガラにもなく「ねこ」が幸せになった結末まで
描いてほしかったと思ったんかなあと考えたんですが
この「ねこ」・・・昔、近所にこんな感じの女の子が
居たような記憶があるんですよねえ・・・
で、こんな感じの不本意な2度と会えない別れを
誰しも1度は経験してると思うんですよ。
そんな郷愁が妙にセンチな願望になったんかな・・・
なんて思ったりして。
まあ、もちろん、ヒグチユウコさんの描く猫たちの
愛らしさを見たら誰でもそう願うわな(笑)

でもね、やっぱりこの終わり方でいいんですよね。
読んだ人全員が、「ねこ」が「顔見知りの犬」と
「優しそうな飼い主」に病院に連れて行ってもらって
元気になって、家族の一員になって、幸せになって、
時々ニャンコの事を懐かしく思い出す・・・そんな
未来を祈って、確信しているはずですもんね。

そして、この切ない余韻こそが「ふたりのねこ」を
「ヒグチユウコのイラストに文字がついてる絵本」
で終わらせなかった勝因であろう。と、調子こいて
締めくくりつつ、次回後編はニャンコが本物の猫に
なりたと願い奔走する中で様々な出来事や出会いを
通じ、これまた少し成長するお話、
「せかいいちのねこ」の紹介へと続きます。

(つづく)












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