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9年目の秋の夜 [ONE MORE NIGHT]

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イロドリ
「しっかし、すげー突風だな」

ニャアコ
「台風が来てるらしいわよ」

「ああ、もうそんな季節か
 あれよあれよという間に9月になっちまった
 な…そういや、あれっていつだったっけ?」

「あれって何よ」

「ニャアコがウチに来た日だよ」

「私が覚えてるわけないじゃないの」

「…だよなあ。だけどあれは9月の何日
 だったんだろうな。あの時の台風は今日
 みたいに、風だけじゃなくて雨もエゲツな
 かったけど、翌日はこんな感じで星と月が
 綺麗な夜だったよなあ」

「懐かしいわね、でもいくら何でもこの写真
 ↑ は盛り過ぎでしょ。夜なのか昼なのか
 わからないじゃないの」

「夜景モードで撮ったのを微調整すると
 こうなっちゃうんだよ。
 それにしても、あれから9年だぜ9年」

「早いような、長いような…ってやつね」

「でもホント、あっという間だぜ。
 あの時、小6だった長女が、今じゃもう
 成人だよ」

「計算からいくとそうなるわね」

「小4だった息子は高校卒業したし」

「まあ計算からしたらそうでしょ」

「小学校入学したばかりだった次女が
 今じゃ高校生だ」

「結局全員言うんかい!
 みんな同じように9歳ずつ年をとって
 るんだから当たり前でしょ」

「そりゃそうだ。で、いつもブログ書く時
 、ついでにアクセス解析のトコも見るん
 だけどな、これが結構、何年も前の記事
 を見てくれてる人がいるんだよ」

「そんな奇特な人、本当にいるのかしら」

「ひょっとしたらソネットさんがテキトー
 にやってるかも知らんけど」

「怒られるわよ」

「タイトル見ると懐かしくて、ついつい
 開いちゃうんだけど、やっぱりたまに
 見るとオモロイんだよなコレが」

「さすが自分大好き人間」

「あの頃はさ、大変だー大変だーって
 言ってたけど、今から思えば可愛いもん
 だったわ」

「そうそう、どんどん坂道を転げ落ちる
 ように悲惨になっていってるわよねえ。
 猫の私が見ても相当ヤバい感じがする
 わよ」

「コミュ障の俺には、町内の近所づきあい
 が苦痛だったけど、何だかんだで楽し
 かったよなあ」

「そういえばあの家はどうなったの?」

「俺たちが引っ越して何カ月か後に
 更地になって、そのあと二階建ての家
 が出来てるよ。どんな人達が住んでんの
 かは知らんけど」

「そう、それは寂しいわね」

「色んなものが変わっちまって、年も
 とって、世の中も生活もどんどん大変に
 なってくけど、俺はこうしてニャアコと
 9年を過ごせて、今も一緒に居られる
 ことが、何ものにも代えがたい幸せだ
 って思ってるんだぜ」

「知ってるわよ」

「おやおや、これは失礼」


カーテンのない磨りガラスの窓に映る
月明かりを眺めつつ、YouTubeから
フィルコリンズのONE MORE NIGHTが
流れる中、ひっそりと寄り添う
お互い9年分、年を重ねた一人と一匹

様々な思い出と共に9年目の秋の夜は
静かに更けてゆく…

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現在のニャアコ
およそ同じ時間帯に撮った同一人物に
思えない (笑)

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ニャアコ
「カラコンの使用前・使用後か!」





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