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託された未来 (ニャアコの回顧録・8月) [ニャアコの回顧録]

平成24年8月

おはぎ4姉弟、生後6ヶ月。


「東雲(しののめ)よ、見たか。あの子たちの目を」
鐡造は言った。
「瞳が輝いておる。あの子たちは二十一世紀の日本を支えていく子供たちだ」
「はい」
「ぼくはもう二十一世紀を見ることはないが」
「三十五年後ですから、私も見ることはありません」
二人は笑った。
「どんな国になっているでしょうか」
「日本人が誇りと自信を持っているかぎり、今以上に素晴しい国になっておる」
鐡造はもう一度甲板に目をやると、歓声を上げている少年少女たちを、まるで
宝物を見つめるようにいつまでも眺めていた。

                         「海賊とよばれた男」(百田尚樹・著)


昨年のお盆直前の8月某日、小説「永遠の0」の著者である百田尚樹先生の

講演会に参加してきました。


ただでさえお盆前で帰省が始まり電車が混むような時期に、病み上がりのお体

で食堂はおろか自販機すらないローカル電車に長時間揺られて、この片田舎

まで来て下さったみたいで、到着も講演会開始ギリギリだったらしく、先生は

ちょっとお疲れのようでした。

講演会の内容は「海賊とよばれた男」が発刊された直後ということもあって

殆どがそのお話でしたが、こんなにすごい人を歴史に埋もれさせるわけには

いかないという気持ちで、入院中も出血しながら執筆し続けたと語られ、

「出光石油の創始者である出光佐三という男の生き様と功績を何としてでも

世に伝えなければ!」という、小説家としての使命や執念を感じました。


好き嫌いは別として、百田先生のスゴイところは、作品のジャンルの多彩さだと

思います。

戦争モノ、時代劇、虫の世界、ボクシング、整形などなど・・・

まったく違うジャンルに挑戦してゆく姿勢は漫画家で例えるなら手塚治虫先生

や石ノ森章太郎先生みたいな感じでしょうか。


「海賊とよばれた男」に関しては、もう読まれた方も沢山居られるでしょうから

あんまり詳しくは書きませんが、この作品は燃えますねえ。

なんていうんでしょうか私が言うと逆に薄っぺらに聞こえるんであんまり書きたく

ないんですけど、一言で言うなら出てくる人が男も女も「真似の出来ない生き様」

なんですよ。ホントにかっこいい!

文章は実に淡々と書かれてるんですけど、妙に主人公アゲアゲじゃないから

素直に感情移入出来て、勝手に涙が出てくるという不思議な感覚でした。

もちろん、ノンフィクションとは言っても完全に事実だけを書いてるわけではない

でしょうし(まず主人公が出光佐三という本名ではない)、必ずしもこういう生き方

が正しいとは限らないでしょうし、当然、読んで面白くない(自分に合わない)と

思われる方もおられるでしょうが、読んでみて損はないと断言します。

上下巻を通して困難と名場面の連続ですが、個人的にはこの記事の冒頭に書いた

シーンが一番好きです。

「永遠の0」もそうですが、未来のために命懸けで国を愛して守って下さった方がた

のおかげで今の自分があると思うと「俺ももうちょっと頑張らんとな」という気持ちに

なれるんですよねえ。


何だか毎日の寒さと疲労で支離滅裂な文章になって、かえって営業妨害になったり

して・・・百田先生、スミマセン。


<さらにお詫び>
前回の記事で、おはぎ4姉弟の誕生日を2月14日と書いてしまいましたが、正しくは
2月17日です。コメントくださった のらんさんゴメンチャイ。


















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