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忍者部隊 黒猫・前編 (ニャアコの回顧録・平成24年4月) [ニャアコの回顧録]

カリカリカリカリ・・・

「ニャーニャー!」

カリカリカリカリ・・・

「ニャー!ニャー!」

うるせーなー何の音だ?てか今何時だよ・・・

時刻は午前2時すぎ、うるさい音の主は、おはぎ4姉弟が特大のダンボールの「家」

の中で騒いでる音だった。


・・・今から7ヶ月前の4月、生後2ヶ月になろうかという4姉弟もすっかり一丁前に

自我が芽生え、日中は我が家を所狭しと暴れまわっていたが、家族の留守中や夜は

変な場所に入り込んで出られなくなったら困るのでホームセンターからもらってきた

特大のダンボールに入れておくことにしていた。

最初の頃は4匹ともおとなしく寝ていたのだが、夜中、ニャアコがダンボールを抜け

出して家中を徘徊するようになると4匹が母を求めてか一斉に鳴き出し、ダンボールの

壁を爪で引っ掻くようになった。


静まり返った真夜中にダンボールを爪で引っ掻く音は、結構響くものである。加えて

4匹が一斉に鳴くので狭い我が家では大変な騒音なのだが、5人家族の中でそれを

気にするのは私だけで、妻と3人の子供たちは何故か平気で熟睡していた。

それでもあんまりうるさいので起こしたら可哀想だと思い、ダンボールハウスを

誰も寝ていない部屋へ移すと、今度はニャアコが4姉弟を心配してダンボールの中に

文字通り豪快にダイブして戻るのだ。

それでこのまま仔猫たちとずっと一緒に居てくれたら私も安心して寝れるのだが、

しばらくするとまたダンボールの外に出るニャアコ、そして一斉に鳴き出す4姉弟。

延々これの繰り返し。

しかも、ただダンボールの壁を闇雲に引っ掻いているだけのように思っていたら何と

彼らは自力で壁を登り、今まさに乗り越えようとしてるではないか!


息子や娘には「人生の壁」を自力で乗り越える人間になってもらいたいが、おはぎ

4姉弟にはまだダンボールハウスの壁を越えてもらっては困るのだ。やめろー!


願いも虚しく1匹また1匹と脱出してゆくチビたち・・・

どうやら兄弟を互いに踏み台にしながら壁を乗り越えていってるようだった。

その証拠に最後まで残った1匹はさすがに自力では乗り越えることが出来ず箱の中に

取り残されてしまっていた。

もちろん私も指をくわえて眺めていたわけでなく箱から出ないように蓋をしたり、

脱走したチビを追いかけて箱に戻したりしたのだが、なにせ4姉弟の鳴き声の

激しさと、ニャアコの謎の行動ですっかり参ってしまった。


時刻はもう午前4時すぎ・・・

出勤まであと1時間半、力尽きた私はまるで育児ノイローゼ寸前の新米ママのように

床にへたり込み 途方に暮れながら、分身の術よろしく跳ね回る ちびっ子忍者たちの

勇姿を眺めるしかなかった。


(後編につづく)































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青竹

なかなか腕白なおはぎ4兄弟ですね。
兄弟団結して乗り越えていくとは、
お利口さんですし。
広い世界を見たくて仕方ないのでしょう。
ニャアコは何を考えていたのでしょうか。
by 青竹 (2012-11-14 17:32) 

みぃにゃん

確かに赤ちゃんを産んだ新米ママのようですね~。
毎晩大変ですね・・・そして寝不足と・・・。
猫って夜行性って聞いたことありますが
夜に寝てるれるようにもなるみたいなんで(記事にでていた黒猫ちゃんもそうです)何か工夫されてみてはいかがですか?もしくは大きくなったら自然と家族と生活合わせるのかもしれませんね
by みぃにゃん (2012-11-15 13:18) 

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