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祝・5ヶ月記念 「放尿息子の帰還 (後編)」 [記念日]

イーライがいつ出て行ったのかはわからないが、居なくなったのを発見してから丸1日が経った。

ノラとして酢も甘いも噛み分けて、脚が折れても したたかに生き抜いてきたニャアコならともかく、

生後5ヶ月近くまで単独で外に出たこともない子猫が果たして無事でいられるのだろうか。


この日も昼休憩に車を飛ばして家に帰ったが、やはり戻ってる形跡はなかった。

仕事が休みだった妻が、2日ほど前に イーライがシッコした布団を干していた

自分の尿臭を頼って帰って来るのを期待したが、これも効果がなかった。



夜になった。



夕食の時、誰もがイーライの安否を心配したが 私の逆ギレを警戒してか 落ち込みように同情

してか、脱走の原因となった前日の鍵の閉め忘れを責める者はいなかった。

だが、このまま帰ってこなかったら この先ずっと「あの時、鍵を閉めてれば・・・」と、後悔する

ことになるのだろう。


イーライが1日居ないだけで家の中の尿臭がしなくなり、朝も静かになったが それと引き換えに

猛烈な喪失感に襲われる、もちろんニャアコをはじめ残りの3匹の娘たちも大事だが、イーライは

イーライなのだ。

口にはしなかったが妻はきっと「イーが戻ってくるんだったら(多少は)シッコ くらい許すよ」と

思っていたに違いない。

子供たちの学校で「黒猫の死体がアガった」という話題が出てないことが、せめてもの希望だった。


午後10時頃、ニャアコを連れて外に出てみる、昼間は晴天だったのに夜は2日続けて月のない

曇り空で今にも雨が降りそうだった。

「そのうちひょっこり帰ってきたして」という希望的観測がどんどん薄れてゆく。


ガサッ!

「ニャー」


あ!帰ってきたのか?

違った。たまたま生ぬるい風が吹いて木の葉っぱが揺れたのと家の中で子猫の誰かが鳴いた

だけだった。


これで緊張の糸が切れてしまったのか1時間ほどで家の中に入った。

妻の落胆も相当なものだった。


もし家の外でイーライが鳴いた時、聞こえやすいように窓がある部屋で待機がてらに本を

読んでいるとウトウトし、やがて寝てしまっていた。


どのくらいの時間が経っていたのか妻がドタドタと走りながら部屋にやってきた

「お父さん!お父さん!何か声が聞こえるよ!ほら、ニャー言うてるよ、イーだよ絶対!」

夢なのか現実なのか(こんなんばっかり[あせあせ(飛び散る汗)])とりあえず、どこに置いたかわからない

眼鏡をさがして急いで玄関の戸を開けた。


なんと! イーライがそこに居た。


寝起きだったのでこれが夢でないことを祈った。


いやー良かった。本当に良かった。


興奮も冷め遣らぬ30分後、猛烈に雨が降り出した。

放蕩息子イーライが雨を察知して仕方なしに戻ってきたのか

それとも、帰り道を捜して捜してようやく我が家に辿り着くまでお天道さまが

雨を降らすのを待ってくれたのか。



イーライは帰ってきて初日こそおとなしくしていたが、2日目いきなり妻のお気に入りの

バッグの中にシッコしていた。

「も~ホンマにコイツは~!」


こうして我が家には喧騒と言う名の日常が戻り、招き猫の4匹の子供たちは無事に揃って

誕生5ヶ月目を迎えることが出来たのでした。めでたし、めでたし[黒ハート]



P1000590.JPG
イーライです[黒ハート]


P1000608.JPG
ビジンダーです[黒ハート]・・・あれ?ブルーだったかな?

P1000609.JPG
ブルーです[黒ハート]・・・あれ?ビジンダーだったけ?

P1000612.JPG
ウルトラニャン・・・じゃなくてチーです[黒ハート]

ジョンとポールは勿論のこと、ジョージとリンゴのどっちが欠けても

ビートルズにならないように、君らも4人で一つなんだろうね[ハートたち(複数ハート)]

いつもながら図々しい喩えよね・・・[たらーっ(汗)](ニャアコ)

でも生れてすぐに星になってしまった、もう1人の兄弟のことも

いつまでも忘れないであげておくれ。

生れて5ヶ月目おめでとう[ぴかぴか(新しい)]

君たちがいつまでも元気で暮らせますように、

そして訪問してくださる皆様に良いことが沢山ありますように・・・[夜]





























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青竹

無事に帰ってきてくれるだろうか。
どこかで怪我をしたり苛められたり、事故に遭っていないだろうか。
特にまだ警戒心の少ない子猫のうちは、心配が尽きず
また迷子になって戻りたくても戻れないかもと思うと
たまらない気持ちになりますね。
イーライ君は必死の思いで、自分の家を思い出しながら
帰ってきたのでしょう。
へそ天で寝ているイーライ君を見ていると、今は安心しきっているのが感じられます。
私も引っ越したときに隙をみて外に飛び出した茶虎猫のチャコ1世が半年間戻ってきませんでしたが、ある雨の夜に玄関で鳴いている猫の声に飛び出すとドロドロに汚れたチャコ1世がそこにいました。
驚きと喜びは今も忘れません。
by 青竹 (2012-07-18 13:30) 

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