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ネタばれ注意「さすらい猫ノアの伝説」 [オススメ]

「勇気っていうのは、なにかを取り戻すことなんだ。
 間違ってることには従わず、困ってる人を助けて
 あげること・・・考えてみればあたりまえじゃないか。
 でも、実際にはなかなかできないだろ?
 できないことが、自分でも悔しいだろ?
 大切なものをいつの間にか、なくしてるからなんだ。
 それを取り戻して、自分が『こうなりたい』と思う
 自分になろうとする気持ちが、勇気の第一歩なんだよ」

            第8章 勇気りんりん より



え~毎日暑い日が続いておりますが、今回は・・・
夏休み真っ只中ということもあり宿題の読書感想文の
ノリで児童向け小説「さすらい猫 ノアの伝説」を
ご紹介したいと思います。

例によって大した内容は書いてないのに、ラストの
オチだけは堂々とバラしてるという、まるで浜村淳の
映画解説のような悪質な記事となってますので、
結末を知りたくない方はどうぞ、ここでシャットダウン
お願いしまーす(笑)


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<おめでとうございます!あなたのクラスは
 ノアに選ばれました!>

隣の市の小学校の子の、そんな挨拶で始まる手紙の入った
風呂敷を首に巻いた黒猫が、授業中のとある小学校の
5年1組の健太の席に、窓から飛び込んでくるところから
物語は始まります。

その手紙に書かれている内容によると、この黒猫ノアは
”クラスの皆が忘れてしまってる大切なこと”を
思い出させるために、いろんな学校を渡り歩いている
らしく、その大切なことに皆が気付いた時、ノアは
また次の学校へと旅立ってゆくのだそうです。


健太のもとにノアがやって来た時、5年生になってまだ
2カ月しか経っていないということもあって、一体何が
忘れてしまってる大切なことなのか、ピンとこなかった
のですが、怪我で入院中の担任のピンチヒッターで
やって来た、新米のユッコ先生のあまりのダメダメな
ドジッ娘ぶりが、この5年1組の雰囲気を悪化させ(笑)
健太と、親友の亮平、そして健太が淡い恋心を
芽生えさせることになるリリー(本名は凛々) の3人が
中心になってユッコ先生に自信を持ってもらおうと
奔走する中で、自分たちにとって必要で大切なものに
気付いてゆく・・・そんな王道のストーリーです。


もともと子供向けの物語なので、読んでて童心に戻れる
というか、懐かしい気持ちで心が洗われるような気が
しました。
ユッコ先生をクビにしようとしてた女子のリーダーの
子が、最後は、担任が戻ってくることで学校を離れる
ユッコ先生のお別れ会を提案したり、自分の上手さを
ハナにかけて亮平を見下してイジメてるようにしか
見えなかったサッカークラブの男子が、ストイックな
努力家であり、口は悪いけど亮平のこともちゃんと
心配してて、ラストの試合のシーンで、やっと
レギュラーを勝ち取って試合に出ることが出来た亮平に、
何度も何度もパスを出し続け、最後の最後のゴールを
アシストしてやる場面など、ヤな奴をそのままで
終わらせない配慮も読んでて嬉しかったですね。
この辺の物語の回収具合はうまいなあと思いました。

それぞれが誰かを思いやり、一歩踏み出す勇気を
取り戻し、健太たちの5年1組のクラスが1つになって
皆が少し大人に近づいた時、ノアとの別れが待って
います。

決して懐くわけでもなく、いかにも気まぐれな猫
そのもので、それでも健太たちが行き詰った時には
神出鬼没に現れて重要なヒントを与えてくれて、
忘れられない思い出を作ってくれた、さすらい猫。
亮平が泣き泣き書いた”次のどこかのクラス”への
紹介状を風呂敷に包み、首に巻いたノアを、健太、
亮平、リリー、ユッコ先生が涙を堪えながら見送る
場面が、まるで自分も一緒にこのクラスに居たかの
ような気持になりました。
作者の重松清さんの他の作品は読んだことがないの
ですが、これはホントにいい作品でした。
そしてやはり「黒猫」というのはミステリアスな
設定が良く似合いますね。

なんか無駄に長くなってしまいましたが、最後に
もうちょっとだけ・・・
この物語、エピローグが2つあるんですけど、
都会から引っ越してきた6年生の女の子の所にノアが
現れて、次はこの子の新しいクラスが舞台になるのを
暗示させて終わるという2つめのエピローグは、何と、
そのまま続編のプロローグになってるという(笑)
図書館に置いてなかったのでまだ見てませんが、
機会があれば続編も読んでみたいです。

で、1つめのエピローグはノアが去った後の後日談。
一度は諦めかけていたサッカークラブのレギュラーの
座を努力で勝ち取った亮平が、試合の最後の最後に
ゴールを決めた瞬間、リリーやユッコ先生と一緒に
応援していた健太が、今はもういない、そして二度と
会うこともないであろうノアが、今もきっとどこかで
自分たちを見守ってくれてることを実感するという
泣かせるラストでした。

子供の頃に戻ることは出来ないけど、純粋な気持ちを
思い出したい時に読んでほしい、オススメの1冊です。

例によって感想が書きたいのか粗筋が書きたいのか
さっぱりわからないグダグダな紹介になってしまい
サーセン。

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我が家の「元・さすらい猫」ニャアコ

まさか40過ぎた心身共に穢れきったオッサンのもとに
ノアがやって来るとは・・・
まさに「事実は小説より奇なり」(笑)


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Cilas

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