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エピローグ「These Dream」 [ダレトクヒメジツアー2013]

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ビジンダー 「ねえねえ、イロドリちゃん」

イロドリ   「うん?」

ビジンダー 「よかった、ちゃんと返事してくれたね」

イロドリ   「何だよ、”呼んでみただけ~”、か?」

ビジンダー 「違うよ。あのさ、さっきの記事のべテルって、どういう意味なの?

        場所の名前?」

イロドリ   「ああ、あれか。話せば長くなるからチョー簡単に説明するけど、

        人間の世界の聖書っていう本にでてくるヤコブってのがいる

        んだけどな」

ビジンダー 「うん」

イロドリ   「そいつが、本当だったら兄貴が親父から受け継ぐはずだった

        神様の祝福ってやつを母親の入れ知恵で親父を騙して

        奪っちゃうんだよ。そんでブチ切れた兄貴に殺されそうになって

        生れ故郷を離れて、母親の兄のところへと逃げるんだけどな」

ビジンダー 「それは母親が悪いね」

イロドリ   「まあまあそう言うなよ、何か深い意味があるんだろうよ。それで

        その旅の途中のある場所で、石を枕にして野宿してると天から

        梯子が下りてきて、それを天使が上がったり降りたりしてる夢を

        見るんだよ、で、その夢の中に神様が出てきてな・・・」

ビジンダー 「とんでもねぇ、アタシャ神様だよ・・・て言うんだよね」

イロドリ   「言わねえよ。で、神様が出てきて、何とこの盗人で逃亡者の

        はずのヤコブを祝福して、”私は神だ。私が必ずお前を守って

        やるし、必ずお前は故郷に帰れるようになるし、子孫もたくさん

        増えるぞ~”・・・とか言って励ますんだよ」

ビジンダー 「それ、モンスターエンジンのネタでしょ?」

イロドリ   「だからきっと本当は兄貴じゃなくて、もともとヤコブが祝福を

        受ける立場だったっての母親は知ってたんじゃないのかな」

ビジンダー 「可愛そうに兄貴、当て馬もいいトコよね。で、最後どうなるの?」

イロドリ   「まあ、いろいろあったみたいいだけど最終的には仲直りする

        みたいだけどな。で、ヤコブが夢で神と出会った場所が、べテル

        って名付けられたんだよ。ただ、俺はクリスチャンじゃないから、

        まともに聖書なんて読んでなくてウロ覚えで喋ってるんだけ

        なんで、もし嘘言ってたらスマン」

ビジンダー 「よ!知ったか親父!・・・え?で、それがさっきのあの川と、

        なんの関係があるの?」

イロドリ   「いやまあ何て言うかその、俺も20年近く前にあの場所で                                                            
                                      
        似たような体験をだな・・・」

ビジンダー 「え!? イロドリちゃんも 神様とか天使が見えたの? 」

イロドリ   「いや、そんな霊験あらたかな人間だったら、今頃こんな惨めな

        生活してねえよ・・・ただな、あの場所で、まだ幼かった自分の

        子供を残して殉職されたお父さんが、ずっと子供たちを心配

        しながら天国から見守っておられたんだというのを確信する

        ような出来事があってな。たとえ肉体が無くなったとしても、

        きっと人間の心っていうのは、ずっと愛する者のことを見守って

        いるんだって実感したんだ」

ビジンダー 「へー」

イロドリ   「それを通して俺もそうやって、戦死した爺ちゃんやら、いろんな

        ご先祖様から命を受け継いでここにいるんだと思うと、どんな

        サエない人生でも一生懸命に生きないと!って誓ったんだよ。

        で、何十年経ってもその時の気持ちを忘れないための、この

        ヒメジツアーなんだよ」

ビジンダー 「だから閲覧者数が1ケタになっても記事が続けられるんだね」

イロドリ   「さすがに前の記事が閲覧者7人で次の記事書くのは辛いもの

        があったけどな。まあいいんだよ。あ、ちょっと土産買ってくる

        から車の中で待っといてくれ」

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いつもの「ながさわ」で土産を買って戻ってくるイロドリ


イロドリ   「フー、あれから20年か・・・」

ビジンダー 「ん?」

イロドリ   「いや、あれから何か立派なことしてこれたかな・・・なんて、

        ふと思ったりしてさ」

ビジンダー 「どうしたのさ急に、夜空ノムコウの歌詞と、きみまろ さんの

        漫談を足して2で割ったようなこと言い出して」

イロドリ   「何かな、今考えるともうちょっとマシな生き方があったんじゃ

        ないかなって気がしたんだよ。人に騙されたり、いいように

        利用されたり、そんなんばっかりだからなー俺の人生って、

        ま、全部自分の責任なんだけどよ」

ビジンダー 「でも、お母さんはそんなイロドリちゃんが好きだから、この

        家にやって来たんだっていつも言ってるよ」

イロドリ   「ああ、ニャアコとお前たちにはホントに感謝してるよ」


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車は名残を惜しみつつ姫路を離れ家路へと急ぐ


ビジンダー 「これ、キレイな曲だね、何て歌?」

イロドリ   「リチャード・マークスのRight Here Waiting」

ビジンダー 「いいねコレ」


帰りの車の中のBGMは「80年代洋楽集」のバラード盤である


ビジンダー 「・・・イロドリちゃん、あんまり周りに気ばっかり遣ってちゃ

        ダメだよ。家族だっているんだから自分の身体にも気を

        つけなきゃ」

イロドリ   「心配しなくても大丈夫だよ。俺は確かに周囲に気も遣う

        けど、それ以上に周りに気を遣わせる困ったオヤジって

        言われてるんだぜ・・・ん?」


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ビジンダー 「zzz・・・zzz・・・zzz・・・」

イロドリ   「ちぇっ、言うだけ言って寝ちまいやがって。まあ、生意気な

        こと言ってもまだまだ子供だな。でもよく考えてみると、

        生れて間もない頃から今まで、俺の膝の上に乗って寝る

        のってビジンダーだけだもんな。可愛いもんだ」


リチャード・マークスの至高のバラードを子守唄に眠りにつくビジンダー

曲は続いて、ハートの「These Dream」に・・・


イロドリ   「These Dreamか・・・今回の旅にピッタリのタイトルだな。

        あっと言う間の夢みたいな楽しい時間だったぜ。

        ありがとよ ビジンダー」

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晩秋の午後4時半はもう夕暮れに近い。黄金色の秋の空は、町だけ

でなく、時間も、空気も、思い出も、ビジンダーの夢も染め上げて、

ゆっくりと、そしてあっと言う間に去ってゆくのでありました・・・。

お・し・ま・い [黒ハート]


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帰宅後、もとの姿に戻ったビジンダー

グダグダな旅に最後までお付き合い下さった皆様、本当にありがとう

ございました。                  イロドリ&ビジンダー















        
        


        

        



        


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青竹

今年も残りわずかになりましたね。
ビジンダーとのダイレクトヒメジツアー、思い出に振り返ると自分にとって生きていることの意味を考えさせられますね。
私も今まで利用され詐欺師呼ばわりされてきました。
でも思い返すと、おおくの人たちに支えられています。
イロドリさんも私にとって大切な友人です。
良き年をお迎えください。
by 青竹 (2013-12-30 12:33) 

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