SSブログ

残るべきか発つべきか(平成23年・冬)

まだ何年も先の話・・・などと思っていると、その「何年」は意外に早く

やってくる。


我が家には年内にカタをつけなければならない重大な問題があった。

神戸の実家に帰って親をみる、という話が数年前から出ていて、その

目途をつけるタイムリミットを上の娘が小学校を卒業するまでと決めていた

のだが、まだ4年生、まだ5年生といってるうちに、あっという間に6年生に

なり、来年の春にはもう卒業というギリギリの時期にきていた。


長男として当然だし、この歳まで放蕩を続けて親不孝してきてるという

自覚もあるので、帰って親をみるということに異存はないのだが、実際

のところ帰って何処に住むのか、仕事はどうするのか、子供達の学校は

・・・などなど、まだ何も決まっておらず、実家の親や妹も結局ウチの

家族にどうしてほしいのかというのも具体的にわからないままズルズル

と今まできてしまっていた。


新天地で新しい出発を・・・と夢見たりもしたが、手に職があるわけでなく

借金を抱える身でゼロからのスタートなんて現実的に無謀すぎた。


娘の中学校の入学の準備なんかがあるので、神戸に帰るか、ここに残るのか

結論を出さないといけないと思っていた矢先、昼に母親からメールが届いた、

「夜、今後のことで話がしたい」

この日は平日だったが仕事が休みだったので、家で片づけをしていたが

夜まで待つのも面倒なのでこちらから電話した。


結局、子供達もせっかくこちらの環境になじんで、それぞれ頑張ってるし

自分達は大丈夫だから、そっちに残っていればいい とのことだった。


家の中で電話してたので、たまにニャアコが鳴いていたが、まさか借家で

低所得で借金だらけで喘息もちの息子が猫を飼ってるなんて夢にも思わな

かったのだろう、まったくつっこんでこなかった。


年老いて病気がちな両親を妹に押し付けてるような申し訳なさも感じたが、

今まで以上に頻繁に帰省し孫の顔を見せに行く、ということで一応この話は

終結したのだった。



電話をきったあとニャアコが隣で鳴いた

「さあ、一件落着したところで外にでましょうよ、肩でも揉んで頂戴」


外は晴天だったが、どこか寂しげな感じで、もう完全に冬の色だった。

これから雪が降るんだろうなぁ

平成23年も残すところ1ヶ月になろうとしていた。

(つづく)






















nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

青竹

年老いた親の面倒を誰がみるのか。
昔から問題になっていることですね。
反対に子供さん達のことを考えると、学校が代わることの精神的な負担と不安はとても大きいものだと思います。
ニャアコにとっても、猫は家につくと言いますが
私も猫を連れて引っ越した経験がありますが、引越し先で逃げ出してしまい、長く行方不明になってしまったことがありました。

irodoriusagiさんの判断で良いのではないでしょうか。
これで良いのかといった気持ち、妹さんに負担をかけることの悩みなど色々とあると思います。
しかし、自分が出した結論は今すべき判断の中で
ベストだったのだと信じることが大切ではないでしょうか。
それがもし間違っていれば、自分の意思に関係なく
修正させられるときが来るはずです。
ですから今は自分を信じて悩まれないことです。
by 青竹 (2012-06-23 23:07) 

irodoriusagi

青竹さま
今回はなかなか思ってることを活字に出来なくて
消化不良の内容になってしまったのですが、それでも
あたたかいコメントありがとうございました。
やはり子供達のことを考えると今回の選択で仕方
なかったのだと改めて思います。
しかし青竹さんに猫を連れて引越しした経験があった
とは、意外でした。
by irodoriusagi (2012-06-24 17:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

平成23年 冬さよなら平成23年  ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。