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ああ、この場面は...(ヒグチユウコ・いらないねこ) [ヒグチユウコ]

「逃げ出してきて だいぶんたつから
 あんた、ずいぶんおおきくなったわね。
 あたしの昔着てた服をあげるから
 好きなのをえらびなさい」

子ねこはうれしそうに 店主の色とりどりの
クローゼットを見ました。
ゴソゴソと いろんな服をみたあと

「これがいい!」と いいました。

ガラガラ!と 戸をあけて ニャンコが
本屋にやってきました。

すると いつもとちがう 黒いワンピースを
着た子ねこがいました。
おねえさんのような子ねこを見たニャンコは
目から涙をこぼしました。

「おとうさん、なんで泣くの?」

ニャンコは 涙がとまりません。


「いらないねこ」第14回より



今回は大好きなヒグチユウコさんの絵本、
「いらないねこ」の紹介です。

前作「せかいいちのねこ」は、愛してやまない
持ち主 (?) の男の子が成長しても飽きられること
なくずっと一緒にいたいと願う、ぬいぐるみの
ニャンコが「猫のヒゲを集めると本物の猫になれる」
という話を聞いて、さまざまな個性的な猫たち
からヒゲをわけてもらうけれども本物の猫には
なることが出来ず、でも、ぬいぐるみの姿でも
男の子はこれからもずっとニャンコのことを
大切に思うし、一緒にいられる。と同居人の
本当はいじわるじゃない「いじわるなねこ」に
諭され、今のままの自分自身を受け入れるという
成長譚でした。

正式な続編にあたる今作では、なんとニャンコが
捨てられていた子ねこを連れて帰って育てるお話
です。

・・・まあ、それだけの話なんですが、もうね、
ただひたすら可愛いんですよ。猫たちがね。

なんでこんな絵が描けるんや?と不思議なくらい
表情が豊かで、仕草がいじらしいんですよね~。

特にロンパースを着てる子ねこの姿とか、それを
見つめるデレデレのニャンコパパの表情なんて
それ見てるだけで幸せな気持ちになってしまいます。

連載が進むにつれて、子ねこも少しずつ大きく
なってゆき、さすがに一緒に暮らすわけには
いかなくなって、「愛娘」は新しい家族のもとへと
行ってしまうのですが、「ある出来事」があって
最終回の2つ前の第13回で再びニャンコたちの元へ
逃げて戻って来てしまいます。

この記事の冒頭の文章は、次の第14回のものなん
ですが、その時のこの場面 ↓

2017-08-20_15.07.57.jpg

これを見た時、思わず私もニャンコと一緒に涙が
出そうになりました。

なぜなら・・・

2017-08-20_15.08.57.jpg

この「ふたりのねこ」のイラストと同じだった
からです。

何が言いたいのか、わかんねーよ!このハゲー!
と思われるかも知れませんが、説明するとですね、
この2枚めの ニャンコを抱き上げているのは
前作「せかいいちのねこ」の更に前作にあたる
「ふたりのねこ」に出てた「ねこ」だと思うの
ですが、この前々作「ふたりのねこ」は出版社が
違うということもあってか、ど~うもパラレル
ワールドっぽい扱いで、物語のラストで離れ離れに
なった後、「ねこ」は二度と出てきません。

で、今回、成長した「愛娘」があの「ねこ」と
同じ服を着てるのを見て、てっきりニャンコは
彼女のことを思い出し、その姿がダブって泣いたの
かと思ったんですが・・・

どうもあんまり関係なかったみたいです(笑)
ただただ娘の成長した姿に感動したようです。

2017-08-20_15.08.20.jpg

でも、勝手にそんな深読みしてしまうくらい私に
とってはニャンコシリーズ最初の「ふたりのねこ」
も思い入れの強い大切な作品なのですよ。
綺麗に完結してるので、変に続編とか再登場は
なくていいですけどね。

ということで、今回は珍しくネタばれなしで(笑)

果たして新しい家族の元から逃げて帰って来た
ニャンコの愛娘はどうなるのか、9月1日に発売の
「いらないねこ」をどうぞお楽しみに。

2017-08-20_15.54.56.jpg

チー
「文章ヘタ過ぎて何書いてんのかわかんないヨ」









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