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希望の光 (はたらくおっさん 6) [はたらく おっさん]

孤立無援の中での外部からの否定と迫害、信じていた内部からの あっけない裏切り・・・

と、書くと大げさだが、それでも夏、秋、冬と季節の移り変わりと共に40過ぎのおっさんには

精神的にも肉体的にも相当キツいものがあった。


ここまで屈辱的な目に遭いながら何故辞めようとしなかったのか?

答えはカンタン、私が「何もできない人間」だからである。

決して謙遜で言ってるわけでなく、本当に何も出来ないのだ。

工業高校卒業のクセに機械関係はさっぱりだったし、PCに関してはエクセルがどうとかの

以前に、まずインターネットの使い方すら解らなかった。車も毎日乗ってるわりにはエンジンの

ことをスイッチと言って笑われたこともあったくらいオンチだった。

資格といえば英検の4級とか電卓検定3級とか危険物丙種など転職の役に立たないもの

ばかりで、かといって今から新しい物を取得する時間と資金の余裕もなかった。


結局、何も出来ない人間なので「銭の為なら何でもするズラ」と開き直って逆境を楽しむくらいの

気持ちでいくしかなかったのだ。

子供の頃から「はだしのゲン」や「妖怪人間ベム」、「タイガーマスク」などの、主人公がやたらと

ひどい目に遭う漫画ばかり見ていたおかげで、我知らず免疫がついてたのかもしれない。

人間の為に命がけで悪い妖怪と戦いながら「結局お前もアイツらの仲間だろうが!」と理不尽に

殴られて泣いていた ベロの不憫さを思い出せば、自分より明らかに年下の総務にボールペンを

投げつけられ罵倒される事も我慢できたから不思議だった。



だがそれはあくまでも私個人の事情であって、大切な部下であり、貴重な戦力であり、職場の

財産であるパートのおばちゃんたちが相次いで身体を壊し、シフトが組めないような現状は

如何ともしがたかった。

自分の休みを返上して代わりに出勤したりしたが、最低でも1日10人は出勤していないと

回らない大きな現場なのでそれも限界があった。

メンバーの8割が60歳以上の我が職場では、ほぼ全員が腰痛、頭痛、足のむくみ、手の痺れ

などで2日以上続けて出勤するのが難しくなってきていた。

会社に訴えても「今、職安に求人出してるから」とか「そこは大事な現場だから何とかしろ」

と、まるで他人事だった。

アホな会社のおかげで今までの苦労も努力も全て水泡に帰そうとしていた・・・


しかし


世の中とはつくづく分からないものである


この2つ前の記事 (はたらく おっさん・その4)で青竹さんがコメントで励ましてくださったように

実はこの時、既に 最も意外な場所から、暖かな「希望の光」が差し込んでいたのだった。

(つづく)

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コメント 1

青竹

人を統率して采配を振るえるのもまた才能のひとつです。
私にはその部分が欠如しています。
天は自らを助ける者を助けると言いますから、
努力はどこかで見られていて、救いの手が差し伸べられる
のでしょう。
by 青竹 (2012-07-15 12:09) 

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