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誰もいない海 [ONE MORE NIGHT]

暑かった夏が過ぎ去り、すっかり人の気配がなくなった
浜辺を歩く一人と一匹

イロドリ
「今は、もう秋・・・」

ニャアコ
「誰も、いない海・・・か
 懐かしいわね、ビリーバンバンだったかしら」

「トワ・エ・モアだよ」

「それにしても、何か急に寒くなってきたわね。
 この間まであんなに暖かかったのに、最近は
 天気が良くても風が冷たいわ」

「俺も半袖の服じゃ寒くて外歩けないよ。
 まあ、もう11月だからなあ。
 ああ今年ももう終わりか、早えなあ・・・」

「まだ50日以上あるわよ」

「何だか季節や日にちや曜日の感覚が全くなくてなぁ」

「アナタ毎年おんなじコト言ってるわよねえ」

「うーん・・・どうも年々悲惨さがエスカレートしてる
 気がするんだが、今年は本っ当に辛い一年だったな。
 ニャアコやチー達にも辛い思いをさせちまって」

「・・・生きていればいろいろあるわよ。猫も人も」

「つらくても、つらくても死にはしないと・・・か、
 それはそうと今の猫屋敷、住み心地はどうだ?」

「おかげさまで悠々自適に過ごさせてもらってるわよ。
 ちょっと隙間風が寒いけど、皆さん親切にして下さる
 し、ご飯も美味しいし」

「そりゃ良かった。ニャアコもだいぶん、ふっくら
 してきたし、チーの脱腸も治まってるし。
 あとはこれからの冬の寒さをいかに乗り切るかだな」

「あ、思い出した!」

「何だよ」

「イロドリちゃん、あなた最近いろんなとこで
  ”ここだけの話、俺は本当は犬派なんだ” とか
 わけのわからないこと言ってるらしいじゃないの」

「言ってねえよ、誰がそんなデマを !?
 ・・・あ、きっと、”ましらのチョーさん”だな
 あの人、何でもベラベラ喋るのが玉に瑕なんだよなぁ」

「言ってんじゃないのよ」

「いやいや違うんだよ。来年(戌年)は俺の当たり年だし、
 死ぬまでに一度は犬と暮らしてみたかったっていう
 ビンボー人の憧れだよ」

「あらあら、猫で悪うございましたね」

「ガハハハ、怒るなよ。でもな、俺にとっては
 ニャアコが猫でも犬でも人でもニャアコには
 変わりないんだよ」

「ありがとう、イロドリちゃん・・・
 って、あなたこれウルトラセブンの最終回の
 アンヌ隊員のセリフ丸パクリじゃないの」

「ガハハハ、バレたか、恥ずかしいからこのあと
 イロドリ写真館の記事入れてカモフラージュ
 しとくぜ」
 

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