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翻訳事始 ( 後編 ) [講演会]

さて、どうにかこうにか無理矢理に訳した 課題の
「The Box」は、締め切りである講演会の3日前に
ギリギリで提出することができた。
集められた定員20名分の宿題はFAXで金原先生の
もとへ送られ、講演会当日までに先生が各々の
翻訳をチェックするという流れだった。

このワークショップの参加条件は2つ
1.高校生以上の英語の理解力があること
2.宿題を期限までに提出すること

ちなみに私は英検4級、長女は3級だった。
(娘に負けとるがな・・・)

予想外の難しさに親子揃って苦戦してる最中
図書館の職員さんから、ちゃんと締め切りまでに
間に合いそうかという確認の電話があった。
聞けば私たち親子でちょうど定員締め切りに
なったあとも希望者が後を絶たず、現在
キャンセル待ちが相当数出てるので、提出が
間に合わない場合は次点の人に譲ってもらう
とのことだった。
それから必死のパッチでラストスパートをかけて
どうにか完成させたのだが、果たして私たち
親子以外の残りの18名って、どんな基準の人達
なんだろうかと、不安になってしまった。


そうして当日を迎え、午前の講演会も無事に終了し
いよいよワークショップの時間になった。
昼飯も食べず、親子で図書館で時間を潰して
ちょっと早めに会場に入る。

私の予想では、参加者は高校~大学の学生が多い
かなと思っていたのだが、意外なことに続々と
会場に入ってくるのは、私と同じ位の年齢の
「意識高い系」っぽいご婦人ばかりだった。
本格的に翻訳の仕事を志してる雰囲気が漂って
いる。

そして金原先生、再登場でワークショップが
始まったのでありました。

2015-10-17_17.42.22.jpg

ちなみに参加者20名の内訳は、男子中学生1名
女子高生2名(1名はウチの長女)そして
女性16名、おっさん1名(私です)だった。

英語で自己紹介しろとか言われたらどうしようか
と、ビビッていたが時間の都合上それはなかった。

内容は、先に書いたように先生からの課題である
「The Box」という物語の最初の1ページ分と
最後の1ページ分の答え合わせのような感じで
一緒に訳していくというものだった。

特に注意しないといけない点として、物語を訳す
内容は自分の言葉で構わないが 「,」や「.」の
ような段落の範囲は守らないといけないとの
こと、そして「He」「She」と書いてあるから
といって「彼」「彼女」とそのまま訳す必要は
ないと言われた。

さらに
・この物語はいつの時代の話なのか
・どういう読者層を対象に書かれたものなのか
ということを念頭において翻訳してゆくように
とも言われたのだが、そんなことは全く考えずに
ニュアンス最優先で仕上げた私の訳は、かなり
無茶苦茶だった。

講演会の和やかな雰囲気とは打って変わって
先生の語る一言一言を聞き逃すまいという
真剣な空気の流れる中、20名の訳の訳した中から
良い例や、おかしな例などを出しながら話を進め
あっという間に時間は過ぎていった。

結局この「The Box」というお話は、マイケル
という少年が天使から「箱」を預かり、最後に
天使が取りに来るという物語なのだが、いったい
何が言いたいのか最後までよくわからなかった (笑)
しかも宿題ではないので訳さなくてもいい中盤に
マイケルが90歳の爺さんになってるというまさかの
展開!
私はとりあえず課題の部分だけでは話がよくわから
ないので、全部訳してみて後半にはマイケルが
お爺さんになってるのに気が付いたので文中の
セリフも前半は少年っぽく、後半は老人っぽく
使い分けたので、結構その辺は自信があった
のだが、あまりにも段落無視のチョー我流でやった
せいか、よい例どころか悪い例としても取り上げ
られることなくワークショップの時間は無事、
終了したのだった。

う~ん・・・やっぱり難しい(笑)
何が難しいって、この物語の最後の一文、
And then he was gone.
で、この「he」はマイケルのことなのか
天使のことなのか、先生もわからないという
奥深さ!(笑)
まあ、お仕事として翻訳する場合は、わからない
箇所は原作者に直接訪ねたりされるらしいです
けどね。

そういうわけで4回にも渡ってお送りした割には
中身の薄い記事になってしまいましたが、
久々の長編「翻訳事始」はこれにておしまい
です。読んでくださった方、有難うございました。
深い内容を楽しみにされてた方には、とんだ
期待はずれでサーセンでした。

最後に、金原先生は飄々とされてますが、決して
冷淡な方ではなく、ワークショップ終了後に
「私はマララ」の訳書にサインしてもらってる間、
長女に「今、何年生?」とか
「今は出来るだけいろんな単語を覚えたらいいよ」
と話してくださり、図々しくも一緒に写真撮って
もらっていいでしょうか、という親バカ全開の
お願いにも快く応えて下さり、わざわざ席から
立って一緒に写って下さいました。

これからのさらなる先生のご活躍を祈りつつ・・・


「翻訳事始」完









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