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続・身分相応の幸福(前編) [オトンは厄年、息子は当たり年]

「オトンは厄年、息子は当たり年」と題して長々と書き綴ってきた、この

シリーズも、いよいよ第三部の「続・身分相応の幸福」で完結です。

何で「続」と付いてるかというと、2年前に長女がこの小学校を卒業した時の

記事が「身分相応の幸福」というタイトルだったからです。

特に深い意味はありません。ニャハハハハ。

それではもうしばらく、ご辛抱してお付き合いくださいませ。




「続・身分相応の幸福」

平成26年3月・・・

6年生に進級してすぐの子供すもう大会で、2回戦敗退にも関わらず、

まさかの「敢闘賞(団体の部)」をいただいてから、地区の大運動会での

優勝に貢献するほどの大活躍など、それだけでも1年間の良い思い出に

なる出来事だったが、その他にも学校のクラブのサッカーチームでも

試合でチーム内のMVPに選ばれて副賞に、置き場に困るくらい大きな

ポスト型の貯金箱をもらったり、助っ人で参加したクロスカントリーリレーの

大会で、見事、チームが優勝したうえ、個人で区間賞まで受賞するという

快挙も成し遂げていた。

これと言って何の取り得もない息子の、6年分の幸運がすべてこの1年に

凝縮されたような、怖いくらい出来すぎな1年間だった。

あとはもう無事に卒業式を迎えてくれれば、ホントに感謝で小学校生活を

終えられる、父親である私は災難続きだったが、息子がこれだけ恵みを

受けれたのならそれも本望である。そういう気持ちでいっぱいだった。


そんなダメおやじの、けなげな思いが天に届いたか、神様は最後の最後

まで憎いまでの演出を準備してくださっていた。


卒業式の当日、卒業生代表として記念品を受け取るという大役を任された

というのだ。

これがもし、「自分で立候補した」とかだったら、この1年間でもう充分

いい思いをさせてもらったんだから、そういう大役は他の子に譲ってやれ

と辞退させようと思ったりしたが、なんと推薦で選ばれたという。

それも担任の先生の 「6年間で1番、成長したなと思う人を挙げて」

という問いかけに多数決で殆どの同級生が息子を選んでくれたという。


泣けた。


話が出来すぎていて、ちょっと心配になったので何回も息子に

「ホンマに皆が推薦してくれたんやろな、ホンマやな?」と問い質したが、

どうやら本当のようだった。


そして迎えた卒業式当日

式自体は私自身が小6だった30数年前とほとんど変らなかったが、

もちろん当時は自分の子供の卒業式のことなんて想像もしなかった。

息子は優等生という言葉とは縁遠い子供だったが、それほど問題児でも

なかった。とはいえ4年生ぐらいまでは、しょっちゅう学校から呼出しが

あったし、家の前で野球やサッカーをしてガラスも何枚も割ってくれた。

その割れたガラスの隙間から、3年前、当時まだ半ノラ状態だった

ニャアコが、雨の真夜中に家の中へ危険を顧みず突入してきたことも、

今となってはいい思い出だ。


終盤で同級生の女の子が貧血で倒れるという信じられないアクシデント

があったが、なんとか無事に卒業式は終わった。

卒業生代表として記念品を受け取った息子も緊張し、ぎこちない動き

だったが、大役をやり遂げた。

わずかな時間ではあったが、一連の流れがスローモーションに感じる

ような感無量の数分間だった。


貧血で倒れた女の子も、最後は先生に支えられながら自分の足で

同級生と退場出来てひと安心だった。

ちなみにこの女子生徒は、3年生のウチの次女が学校のクラブで

やってるバレーボール部のキャプテンで、後輩である次女を可愛がって

くれてたみたいで、次女も、日頃慕っていたキャプテンが突然前触れも

なく式の途中で倒れるのを在校生側の席から目撃し、心配で心配で

仕方なくて、自分の兄貴の晴れ舞台どころではなかったらしい。


なにはともあれ卒業式も終了し、恩恵と幸運に満ちた息子の1年間も、

無事に締めくくることが出来たのであった。


(つづく)
















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