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貧者のディズニーランド(その9) [貧者のディズニーランド]

楽しい時間というのは、あっという間に過ぎてゆくもので、

そろそろ帰る時間が近づいてきた、

長女が友達に土産を買って帰りたいと言った。

ただでさえ少ない友達から、いつも家族旅行に行った土産を

もらってばかりだったので、子供ながらに肩身の狭い思いや

寂しい気持ちだったのだろう。

給料日当日だったのと、収穫祭で各々頑張ったご褒美で、

自分の分と友達の分、欲しい物を選ばせた。

子供達はこの時とばかりにいろんな妖怪グッズをもってきた。

中には「こんなん要らんやろ」と言いたくなるような訳のわからん物

までドサクサに紛れて買わされたが、今日だけは無礼講で、

それもまたいい思い出になった。

妖怪神社にも商店街の中にも魅力的な土産は沢山あるが、

イチオシは駅から水木ロードに入った最初にある店、

「妖怪ショップ・ゲゲゲ」だ(そのまんま・・・)

ここのご主人は非常に器用かつ気さくな方で、手作りの

土産用の妖怪フィギュアや蓄光の「ぬりかべストラップ」が

イイ感じでお勧めである。

店内に展示してある非売品のフィギュアの出来が良くて、

水木先生に「コレくれ!」と言われて「売り物じゃないから駄目です」

と、断ったという(笑)武勇伝の持ち主でもある(ご本人談)

奥さんもとてもいい方で、本当にこの町と観光客を愛してる

感じがした。


今や町おこしの成功例として紹介される境港だが、地元の方達と

水木先生の信頼関係は、町そのものを愛すべき水木ワールドに

変えてしまったのだ。


こうして家族全員がささやかな幸福感に包まれて「貧者のディズニー

ランド」、鬼太郎の町を後にした。


帰りにイオンで晩御飯を食べて、外に出るともう真っ暗だった。

翌日は全員、仕事と学校だったので、帰路を急ぐ。


「ニャアコ、ちゃんと留守番してるかなあ」

我が家へ辿り着いて玄関を開ける瞬間ドキドキである。

ガラガラガラッ

「ニャアコーただいまー!」

シ~ン・・・ヤな予感

「ニャアコ帰ったぞー」

シ~ン

「お~いニャアコー!」

・・・



ニャアコは居なかった。

(つづく)


















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コメント 2

空楽

楽しくて良かったですね^^
にゃんこさん何処に行ったのでしょう?
by 空楽 (2012-06-14 08:23) 

irodoriusagi

空楽さん
いつもありがとうございます。嬉しいです。
こういうオチでした。
by irodoriusagi (2012-06-14 20:27) 

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